多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『テレビ視聴対応スマホに「アンテナケーブル」が付属する理由は?』という質問に答えます。

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テレビチューナー内蔵のAndroid端末であれば、地上波放送(フルセグ/ワンセグ)を直接受信できるので、固定型テレビと同様リアルタイムに「テレビ」を楽しめます。据置型テレビほど受信状態は安定しないうえ、4K/8K放送のような高解像度・高画質は得られませんが、時間差なしにスポーツ中継を鑑賞できるのはなによりのメリットです。ストリーミングによる再配信では、こうはいきません。

ただし、地上波を受信するには「アンテナ」が必要です。以前のAndroidスマートフォンは、伸縮タイプのロッドアンテナを採用するものが大半でしたが、ボディの薄さを重視する風潮から、イヤホンジャックに接続して使う「アンテナケーブル」の採用事例が増えました。

このアンテナケーブルは、イヤホンのケーブルを地上波テレビ放送のアンテナとして使うためのものです。イヤホン端子がアンテナケーブルに対応している端末に限られますが、このケーブルを使えばロッドアンテナなしでも地上波を受信できるようになります。

一般的なステレオイヤホンの端子は3極ですが、アンテナケーブルの端子は4極あり、うち2極を放送波の受信に利用するしくみです。イヤホン端子がアンテナケーブルに対応している端末でさえあれば、アンテナケーブルを省略し直接イヤホンを接続してもアンテナ代わりになりますが、音声出力に問題が生じるためテレビ視聴には欠かせません。

なお、アンテナケーブルはサードパーティーからも販売されています。機能的にはスマートフォンの付属品と大きく変わりませんが、エレコムの「MPA-35ATRBK」シリーズのように、イヤホンケーブルでの受信を補佐するためプラグ部分にロッドアンテナも装備しています。

スマートフォンのテレビ用アンテナには、「ロッドアンテナ」と「アンテナケーブル」の大きく2種類が存在します