夏のボーナスは有意義に使えたでしょうか。あらかじめボーナスから先取りで貯蓄をし、残ったお金で使い道を決めるのが基本ですが、さらにボーナスが残っていたら、どうしますか? やはり先行き不透明な今、少しでも貯蓄に回したいところです。少額でも有利に預けられるマネー商品を紹介します。

夏ボーナスを少額でも有利に預ける方法

生活費口座に、ボーナスの残りをほったらかしにしておかない

多くの企業では、毎月の給与が振り込まれる口座にボーナスも振り込まれます。天引き貯蓄や自動振替なので先取り貯蓄をしていれば問題ありませんが、それでもボーナスの残りがあれば、できるだけ早く、生活費口座から預け替えることが大事です。1万円、2万円であっても、毎月の生活費口座に残額があると、いつのまにか何に使ったかわからないうちに、なくなってしまうのがオチ。

同じ金融機関の定期預金でも構いません。まずはお金を分けておくことが先決です。

少しでも金利を気にするなら、ひと手間かけて預け替えを

しかし、一般の銀行の定期預金は、現在1年で0.01%。仮に10万円預けても、利息はわずか10円(税引き前)。そこで少しでも金利が高いところで、となると、実際のところは限られてきますが、一般の銀行の5倍~15倍の金利を設定している銀行があります。

■金利が0.05%以上の銀行
【住信SBIネット銀行】
1年定期預金金利:0.15%
1,000円から預け入れ可能

【大和ネクスト銀行】
1年定期預金金利:0.1%
10万円から預け入れ可能

【じぶん銀行】
1年定期預金金利:0.05%
1円から預け入れ可能

2016年7月20日時点で、金利が0.05%以上の銀行は上記の3つになります。預け入れ可能な金額に差がありますが、1,000円から可能で金利が最も高い住信SBIネット銀行が、今のところ使い勝手がいいといえるでしょう。

金利が0.05%未満では楽天銀行(0.04%)やセブン銀行(0.03%)、ジャパンネット銀行(0.02%)があり、いずれも一般の都市銀行より、高めの金利です。ただし、金利0.05%未満であれば、もうひとつ「個人向け国債」との比較になるでしょう。

現在、個人向け国債は、最低金利保証の0.05%が提示されています。変動10年であれば、今後の市場金利次第では、適用金利が上がることも予想され、マイナス金利導入後、注目が集まっています。購入から1年は原則解約できませんが、銀行の1年定期預金の金利と比較すると、0.05%でどちらが使い勝手がいいのか、という選択になるでしょう。

デパート友の会の積み立て原資にもできる

既に先取りで計画通りに貯蓄ができている、ボーナスが残ったとはいえ、せっかくだから有意義に使いたい。そんなケースでオススメなのが、デパート友の会の積み立て。基本的な仕組みは取り扱いのある百貨店ではいずれも同じような内容で、毎月5,000円、1万円と決まった額を積み立てて、1年後に1カ月分が上乗せされて戻ってくるというもの。

いつも利用しているデパートが決まっている、という人は、検討してみてもいいでしょう。ボーナスの残りをきっかけに、毎月積み立てを始めてみるものいいでしょう。大丸松坂屋では、12カ月分をまとめて払い込むこともできます。ただし、使えるようになるのは、6カ月、12カ月の満期後。

戻ってくるのは、現金ではなく、そのデパートや系列店で使える商品券やお買い物カードなので、必ず、そのデパートで使う、ということであれば、半年後、1年後のボーナスで更にお得に使えるお金が増えることになります。お気に入りのデパートがあるなら、有意義に使えるはずです。


伊藤加奈子
マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。