「Pokemon GO」を子どもに利用させる際、注意すべきことは?

スマートフォン向けゲームアプリ「Pokemon GO」が社会現象となっている。街角を歩くと飛び出してくるポケモンを、モンスターボールでゲットしたり、ポケモン同士を戦わせたりして遊ぶことができるものだ。

手持ちのスマホを使って無料で遊べることや、ポケモンというキャラクターの人気により、普段ゲームをやらない層にも熱い人気を集めている。 同ゲームを子どもに利用させる際、親としてはどのようなことに気をつけたらいいのだろうか。

将来的には13歳未満も利用可

「Pokemon GO」をプレイするためには、「Googleアカウント」か「ポケモントレーナークラブアカウント」が必要。13歳未満の子どもは、規約によりGoogleアカウントを取得できないため、ポケモントレーナークラブアカウントを取得しなければならない。ところが執筆現在(2016年7月28日)、ポケモントレーナークラブアカウントのサービスの混雑により、新規アカウント作成ができないため、13歳未満の子どもは基本的に利用できない状態だ。

しかし、夏休みということもあり、子どもが保護者のスマホを借りて利用するケースもあるかもしれない。また、今後は13歳未満でも、ポケモントレーナークラブアカウントの新規作成ができるようになると考えられる。

利用前に子どもに伝えておくべきこと

同ゲームを利用させる際、親は子どもたちに注意事項を伝えておく必要があるだろう。内閣サイバーセキュリティセンターから、注意すべきことをまとめた「ポケモントレーナーのみんなへおねがい」が公開されている。今回はこの項目に沿って、子どもと確認しておくべき約束事の内容を、詳しく解説しよう。

1.個人情報を守ろう
本名とは違うニックネームをつけ、自宅の場所などが分かる内容を、インターネットに投稿しないようにしよう。
安全利用は登録の時点から始まっている。本名で登録してしまうと、他のユーザーに名前が分かってしまい、危険なこともあるので注意。ニックネームは、好きなキャラクターなどからつけるのがオススメだ。また、インターネット上に自宅がわかるような情報や、GPS情報を公開すると危険なので、子どもに危険性を教えておこう。

2.偽アプリ、チートツールに注意
マルウェア入り偽アプリや、攻撃の糸口となるチートツール(ゲームを有利に進めるために不正やデータの改ざんをするツール)があるので注意しよう。
子どもは「裏技」などが好きなもの。チートツールにだまされないように注意したい。また、正規のアプリと偽アプリの区別がつかないケースもあるので要注意だ。

3.お天気アプリは必ず入れよう
外で遊ぶゲームなので、天気の急変には注意しよう。
「特別警報」が出たら、必ず近くにある屋内に避難するなど、行く場所に合わせた約束事を決めておこう。

4.熱中症を警戒しよう
熱中症にならないよう、水分と塩分をこまめにとり、帽子をかぶろう。
定期的に日陰で休むようにしよう。水分と塩分をとれる飲み物を持たせ、帽子をかぶらせて送り出すのがオススメだ。

5.予備の電池を持とう
緊急連絡ができなくなることを防ぐために、予備電池を持とう。
位置情報ゲームは、バッテリーの減りがいつもより早くなる。充電池があれば、子どもに持たせておくと安心だ。

6.予備の連絡手段を準備しよう
スマホの充電が切れた時のために、別の連絡手段を準備しよう。
固定電話や保護者の携帯番号を教えておこう。その上で、テレホンカードを持たせ、公衆電話の場所を教えておくといいだろう。

7.危険な場所には立ち入らない
ゲームに夢中になって、危険な場所に入らないようにしよう。
海外では車にひかれたり、崖から落ちたり、池に落ちたり、蛇にかまれたりしているケースも起きている。危険な地形には入り込まず、入ってはいけない場所には立ち入らないように指導しよう。

8.会おうという人を警戒しよう
ゲームを口実に会おうという人に注意しよう。
「ゲームの裏技を教えるよ」などといって、子どもを誘い出すケースがあるので、会おうと言われても行かないよう指導しよう。どうしても会わなければならない場合も、保護者同伴がオススメだ。

9.歩きスマホはしない
歩きスマホ、自転車に乗りながらのスマホは禁止。
歩きながら、自転車に乗りながらのプレイで事故が多発しているが、ゲーム自体は歩きスマホをしなくても、プレイできるようにできている。「ポケモンを捕まえるときは、必ず止まってから」など、安全に使うためのルールを決めておくといいだろう。

「Pokemon GO」は、家に引きこもりになることなく、街の新しい顔を発見できる可能性もある、楽しいゲームだ。子どもには事前に適切な指導をし、ルールを決めて、安全に利用させよう。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール: 高橋暁子

ITジャーナリスト。
書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。
『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)など著作多数。テレビ・新聞・雑誌・ラジオ等メディア出演多数。 Twitterは@akiakatsuki。
自身のブログ「高橋暁子のソーシャルメディア教室」で情報発信も行っている。