以前から噂されていた「サブスクリプション型Windows 10」が、とうとう姿を現した。7月10日から14日まで、カナダ・トロントで「Microsoft Worldwide Partner Conference 2016」が開催された。このイベントで注目すべきは、Windows and Devices担当CVPのYusuf Mehdi氏が語った「Windows 10 Enterprise E3 for CSP」と「Surface as a Service」プログラムだ。

Microsoft Worldwide Partner Conference 2016に登壇したYusuf Mehdi氏

まずは前者「Windows 10 Enterprise E3 for CSP」から概要を説明しよう。ここでいう「CSP」とは、クラウド・ソリューション・プロバイダーの略称。Microsoftのパートナー企業が自社のサービスやアプリケーションをMicrosoft Azureと統合してビジネスソリューションを生み出すプログラムである。Microsoftは2016年秋からWindows 10 Enterprise E3 for CSPを提供し、利用者1人につき7ドル/月のサブスクリプションとして提供するのが今回の主旨だ。

企業向けエディションの「Enterprise」は、すべての機能を備えた「全部入り」に相当する。これまでもWindows SAやOffice 365、Enterprise Mobility Suiteなどをセットにした「Enterprise Cloud Suite」というソリューションを用意していたが、今回の発表で「Secure Productive Enterprise」に改称する。このうちWindows SAがWindows 10 Enterprise E3/E5に置き換わる予定だ。

今回発表された「Windows 10 Enterprise E3 for CSP」。月額7ドルで使用できる

「Surface as a Service」プログラムもCSP向けに、クラウド管理サービスやOffice 365、Windows 10、関連するISVソフトウェアと一緒にSurfaceを提供するプログラムだ。つまり、ソフトウェアやソリューションだけでなくデバイスもセットにして提供する仕組みである。CSP向けソリューションパッケージにSurfaceを加えて、企業への新しい販売チャネルを生み出したと言えよう。

Surface Pro 4やSurface Bookをリース対象にした「Surface as a Service」プログラム

Surface as a Serviceの価格については言及しなかったが、先頃米国で始めた「Microsoft Surface Membership」が参考になりそうだ。こちらは中小企業が最新のSurfaceを利用(リース)するための月額支払いサービスだが、ポイントは新モデルがリリースされた際に無料でアップグレードできる点である。

例えば、Surface Pro 4 Core Mモデルは18カ月契約で70.99ドル/月、30カ月契約で51.99ドル/月。Surface Book i7モデルは18カ月契約で148.99ドル/月、30カ月は108.99ドル/月となっている。あくまでも推測だが、これらの価格帯をそのままSurface as a Serviceにも適用するのだろう。

米Microsoft Storeでは申し込み可能な「Microsoft Surface Membership」

さて、今回の発表はCSPプログラムに参加している企業向けであり、我々個人ユーザーには関係ない。だが、今回のプログラムがHomeやProといった個人向けエディションに波及しないと断言することもできない。

もちろん今日明日の話ではない。だが、OfficeスイートにおいてはOffice 2016ではなくサブスクリプション制のOffice 365に注力しているのは明らかだ。Windows 10がサブスクリプション制となる将来に、我々は備えるべきだ。

阿久津良和(Cactus)