公衆無線LANサービス「ワイヤレスゲートWi-Fi」やNTTドコモ回線を使ったMVNO事業を展開するワイヤレスゲートが、通信速度を3Mbpsに増速し、公衆無線LANサービスとして新たに「FON」に対応する「WirelessGate SIM FONプレミアムWi-Fi」(1,680円/月)「同SMS付き」(1,880円/月)「同音声通話付き」(2,980円/月)を3月にスタートした。やや低速ながら使い放題で、全国に展開するWi-Fiも利用できる点が特徴的なサービスだ。販売から約4カ月を経過して、同プランの手応えや今後のMVNO市場の展望などを、同社取締役CAOの原田実氏に伺った。

ワイヤレスゲート取締役CAOである原田実氏

使い放題の安心感がコンセプト

――御社では、これまで使い放題プランのみを提供していますが、これはどのような意図からでしょうか?

原田氏 弊社ではもともと480円・250kbpsの使い放題プランを販売してきましたが、これが意外とニーズが高く、使い放題への需要が大きいと判断しました。料金体系としては、容量で制限するのではなく、ある程度の速度があって使い放題のほうが使いやすいと考えていましたので、ネットワーク帯域を考えてこのようなプランになりました。他社とメニューが被ると料金競争にならざるを得ないので、違う方向性で商売したほうがいい、という判断もあります。

ユーザーからの反応は特にいい、悪い、という声が直接入ってきているわけではありませんが、安心して使い放題していただいていると考えています。基本的に通信速度や量に制限はかけていないのですが、上限も3Mbpsですので、ヘビーユース向きではないというも、極端な通信量のユーザーが少ない理由ではないかと思います。

――もともとWi-FiサービスからスタートしてWiMAX、LTEとサービスを広げてきたわけですが、現在のユーザー比率はどのような感じでしょうか。

原田氏 具体的なユーザー数は非公開なのですが、SIMサービスが順調に増えています。もともと低速なサービスだったので、Wi-Fiの利用率自体は高かったのですが、それは今も変わっていません。WiMAXは固定回線がない人の選択肢として、LTEはスマートフォンユーザーに受け入れられているようです。Wi-Fi単体のサービスを選ぶ人は若干減っています。

面白いのが、音声プランが思ったより少なく、だいたい7:3でデータのみのプランを選ぶ方が多いのです。これは新プランの契約前からの傾向で、MNPしてくるユーザーもさほど多くありません。弊社のサービスは第2回線という位置付けで利用されている方が多いのかもしれません。