外食ビジネスの異業態参入が激しい。ケンタッキーフライドチキンがバルに参入したり、スタバが酒を提供し始めたりしている。多様化するニーズがどこにあるのか。ファミレス大手のサイゼリヤがファストフードを始めるという。その戦略は……。

東京・中央区日本橋兜町に店を構える

東京中央区日本橋兜町。東京証券取引所を中心に証券会社などが立ち並ぶこのエリア。ビジネスパーソンの多くは昼食時間が短く、1時間のうちに昼食をとらねばならない。立ち食いそばや中華料理など、パパッと店に入れてしっかり食べられる男性向けの店が多く、女性にも受ける店というのがなかなかないのが悩ましい場所だった。ここにサイゼリヤが新しい形のファストフード店をオープンさせた。

7月7日午後3時ごろの店内

新業態「Spaghetti Mariano(スパゲッティ マリアーノ)」は、本場イタリアのスパゲッティを客の目の前で調理をするというのが売りのファストフード店。店内は木目調のテーブルでおしゃれな照明などのインテリア。午後3時ごろに取材に行ったが、女性グループが談笑する姿が印象的だった。そのほか男性客や高齢の夫婦などもみられた。

ランチのパスタは14種類。トマト、オイル、クリームソースなど定番ものがそろえられている。これとドリンク、サラダがセットで500円(税込)。パスタは200グラムでサイゼリヤと同じ量となっており、女性ならば十分なボリュームだろう。足りないという人は100円追加すると大盛りにできるので、男性でも満足できるのではないだろうか。

500円ランチはサイゼリヤでもあるが、具材の量や味はより工夫されていて、都心で食べられるイタリア料理のランチ1000円と同じくらいという印象だった。なぜこれが実現できるのだろうか。