2016年のコンシューマーテクノロジーのトレンドは、AI、VR、FinTech(個人間決済)あたりに絞られてきた。Facebook、Google、Appleといったテクノロジー企業の巨人が開発者イベントを終えてみると、こうしたテーマにトレンドを感じとれる。

もちろん、いずれも2016年に登場したキーワードではないが、今年なんらかの形でこれからの展開が定義付けられる可能性のある分野であることは間違いない。その筆頭に上がっているAIについては、Googleの活躍が光る。

例えば、人工知能が碁で人間に勝ったり、Google Homeによる音声対話型で機能するコンピュータの姿を見せたことは、AIの生活利用が「すぐそこにある未来」であることをよく表している。

プライバシーと良い機能の両立を訴える、Appleのクレイグ・フェデリギ上級副社長

Appleも、もちろん、機械学習に取り組んでおり、音声アシスタントSiriやiOSに、その結果を反映しながら、ちょっとずつ「モバイルコンピューティングの効率性」を高める施策を繰り広げてきた。

現在のiPhoneでも、イヤホンマイクを差し込めば、アプリのアイコンが出てくる。しかも、時間帯によって、出てくるアプリは変化する。

例えば日中仕事場でイヤホンを指すと、ミュージックを開くショートカットが出てくる。昼間仕事場では、iPhone経由で、ミュージックアプリを介してApple Musicの音楽を聴いているからだ。

しかし家に帰ってきて、夜寝る前にヘッドフォンを差し込むと、Netflixのアイコンが表示される。寝しなにちょっとドラマを見る、という習慣を覚えていてくれるのだ。

また、ホーム画面の左端に配置されているSpotlight検索画面でも、iPhoneが我々の行動を学習していることが見て取れる。よく連絡をとる相手へのショートカットや、よく使うアプリの提案がそこになされており、ホーム画面のアイコンを整理していなくても、多くの場合、必要なアプリをすぐに起動できる。

こうした機能に名付けられているのが「Siriの検索候補」だ。英語ではSiri Recommendationと表記されていて、「検索候補」という和訳は若干違和感がある。「おすすめ」程度の表記がちょうど良いのではないか、と思うのだが。

ちなみに、Siriは音声アシスタントともに、機械学習の結果を利用する窓口としてのブランド名になっていることが確認できる。