2016年6月30日(以下すべて米国時間、日本は7月1日朝)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14379を、Fastリングを選択したPCとモバイルデバイス向けにリリースした。8月2日の公式リリースを迎え、Windows Insider Programも佳境の気配を見せている。

残り1カ月で大型アップデートを迎えるWindows 10

前回、Anniversary Updateのリリース日について言及したが、最終的には2016年8月2日と決定した。残すところ約1カ月を切る本日、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14379をリリースしている。数字の上では14376→14379とその差はわずか。開発陣もバグフィックスと並行して次のプロセスに進み、Microsoft WDG(Windows and Devices Group) Software EngineerのDona Sarkar氏は、Continuum for Phone用のアプリケーションコンテストを行っていることを公式ブログで述べている。

Microsoft社内で行われていたContinuum for Phone用アプリケーションコンテストの様子(公式ブログより抜粋)

現在筆者はデスクトップPCをFastリング、取材先に持ち込むSurface Pro 4をSlowリングに設定しているが、日々のビルドアップを目にすると、Surface Pro 4もFastリングに切り替えたくなる衝動に駆られてしまう。それほど安定度が高まっているのだ。だが、いざ現場でノートPCを開き、インターネットに接続したら、「Insider Previewが降ってきた」という同業者の笑い話も耳にするため、逡巡してしまう。それでもビルドごとの改善点を意訳するほど、Fastリングを選択するメリットを強く感じる。もちろん、完成形ではなく意図しない不具合が発生しかねないというデメリットも存在するが、大半のユーザーはWindows Insider Programから得る恩恵は大きいだろう。

さて、いつもどおりPC版およびモバイル版の主な改善点と既知の問題を紹介しよう。まずはPC版から。

  • 高DPI環境で資格情報ダイアログにメッセージが収まっていなかった問題を修正。
  • アクションセンターで通知をため込むとクラッシュする問題を修正。
  • CortanaからDesktop App Converter Previewで変換したアプリケーションが正しく起動せず、「よく使うアプリ」へリスト表示されない問題を修正。
  • 付箋アプリケーションを最小化すると、キーボードフォーカスが正しく動作しなくなる問題を修正。

ここからはモバイル版の改善点を紹介する。

  • GrooveミュージックやCortanaなど特定のアプリケーションで、キーボードのフォーカスが異常を来す問題を修正。
  • ライブタイルに画像が表示する際、縦横比が維持されなかった問題を修正。

次はPC版の既知の問題を紹介する。

  • Continuum for PhoneでPCを利用する際、アプリケーションが正しく動作しない。この問題は次のビルドで修正する。

最後にモバイル版で確認されている既知の問題を紹介する。

  • Microsoft EdgeでPDFファイルを開いた際にスクロールやパン、ズームといった操作ができない。
  • Lumia 830/930/1520でバッテリー寿命が著しく減少する問題。
  • Wi-Fi接続が切断してしまう問題。
  • OneDriveに格納しているバックアップ形式を変更し、サイズ縮小に努めている。その結果、Windows 10 Insider Previewのバックアップデータを、Windows 10 Mobile ビルド10586に復元すると、スタート画面のレイアウトが復元しないなど正しく動作しない。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・Windows 10 Insider Previewを試す(第57回) - 今月6回目のビルドアップ! ビルド14376登場
http://news.mynavi.jp/articles/2016/06/29/windows10/
バックナンバー 一覧へのリンク
http://news.mynavi.jp/tag/0021413/
Windows 10 すべてがわかる特集記事はこちら
【特集】~インストールから設定・活用まで~ すべてが分かるWindows 10大百科
http://news.mynavi.jp/special/2015/windows10/