さらに前回に引き続き、洋楽をさまざまな角度から「どっちがカッコイイ」か決めていきたい。僕が決めるわけではなく40歳以上の読者限定でアンケートをとっている。なので僕にとって不本意な結果、みなさんにも不本意な結果もあるだろうがご愛嬌。

ビートルズも初期はけっこうカバーが多かった。
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「ロック・アンド・ロール・ミュージック」ビートルズとチャック・ベリー

さて、今回は本家とカバーの対決である。チャック・ベリーは御年89歳のロック殿堂入りの大スター。今なおステージに立つロック・アンド・ロール・キングである。曲は1957年、チャックが放ったスマッシュヒット曲だ。本家とビートルズ、『フォー・セール』(65年)収録のこの曲。さて、結果は。


日本公演の1曲目がこの曲だったし、ビートルズの中でも人気の高い曲だけに驚くほど圧勝だった。ジョンのシャウトが素晴らしいですよね。

「涙の乗車券」ビートルズとカーペンターズ

今度は本家がビートルズ、1965年のヒット曲だ。映画『ヘルプ! 4人はアイドル』(65年)の中でも流れていたのを覚えてる方も多いだろう。かたや、1969年カーペンターズのファーストアルバムに収録されたこの曲。どちらのファンが多いか?


うそだろ~っ!! という結果である。驚いているのは僕だけではあるまい。もちろんカレンの歌声は大好きだし、素晴らしいグループだと思っている。でもでも、あんまりな結果だ。言葉もない。なのでさっさと次へ。

「プリーズ・ミスター・ポストマン」ビートルズvsカーペンターズ

もう、"vs"である。リベンジしたい。別にカレンに恨みがあるわけではないが、雌雄を決したい。雌雄はついてるけど。


もう、世の中が信じられなくなった。なぜに、カーペンターズがこれほど強いのか? この曲はマーベレッツの1961年の大ヒット曲である。原曲はモータウンサウンド、バリバリの女性コーラスグループらしいタメというかノリというか独特なビートだが、これをビートルズは完全にロックンロールにアレンジしたのだ。このような結果、だれが予想できたろう……?

「ユー・リアリー・ガット・ミー」ヴァン・ヘイレンとキンクス

少し落ち着こう。少し新しくなって、1964年キンクスのヒット曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」だ。キンクスは日本では知名度が今ひとつ(ファンの方、失礼!)だったが、ハードロックの礎を築いた偉大なバンドだ。まだ、ディストーションサウンドではないものの、カッティングなんかはハードロックそのものだった。


うーん、予想はしていたが知名度と比例する結果だった。たしかにエディのギターの音に当時、ひっくり返ったのを覚えている。なにをどうしたらこんな粒立ちのひずみが作れるのか不思議だった。多くのアーティストがこの曲をカバーしたがヴァン・ヘイレンのカバーが最も有名なのではないかな?

「リトル・ウィング」ジミ・ヘンドリックスとデレク・アンド・ザ・ドミノス

ジミヘンの名曲である。ギター小僧はついつい手を出してしまう曲で、一見、ちょっと練習すれば弾けた気になるが、実際レコードと聞き比べると、絶望のふちに立たされた気分になったものだ。デレク・アンド・ザ・ドミノスのイントロは強烈にアレンジされており、ボーカルが入るまで同じ曲とは思えず戸惑った。でも繰り返し聞くうちに、流れるようなギターソロに引き込まれた。今でもショートディレイの掛かったギターはクラプトンなのか、デュアン・オールマンなのか僕はわからない。ストラトかレス・ポールか? ご存じの方教えてください。


予想をはるかに上回りジミヘンが強かった。圧勝ですよね。6:4くらいのイメージがあったのにちょっと驚いた。デレク・アンド・ザ・ドミノス、みんな過小評価してません?

さて、次回のアンケート対象は、
イアン・ギランvsデイヴィッド・カヴァーデイル
ロジャー・グローヴァーvsグレン・ヒューズ
など相変わらず70年代を掘り返していきます。
お楽しみに。

調査時期: 2016年6月24日~26日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 40歳以上362名(男性277名 女性85名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート