多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『アプリが隠れてデータ通信しているようです!?』という質問に答えます。

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アプリは必ずしも「ユーザの目が届く範囲で」しか動作しないわけではありません。次回必要とされたとき、つまり起動されたときに最新の情報をスピーディーに提供できるよう、ユーザには見えないところ(バックグラウンド)で動作を続けている可能性があります。 たとえば、Gmailがメールの到着をリアルタイムに知らせてくれるのは、Gmailがバックグラウンドで動作を続けているためです。LINEやTwitterといったSNS/メッセージングアプリも同様で、バックグラウンドで絶えず通信をチェックしているからこそ、外部からの呼び掛けに対しすぐに反応できるのです。その意味で、ユーザの気付かないところでアプリがデータ通信することは、スマートフォンの利便性に貢献しているともいえます。

とはいえ、バックグラウンド動作になんらかの制約を設けなければバッテリー残量は着実に減り、データ通信料は増える一方となります。Android 4.0以降では、アプリごとにバックグラウンド動作時のデータ通信を禁止することが可能になったため、明らかにバッテリー消費・データ通信増の原因と判断できるアプリは、動作を制限することができます。ただし、画面に表示され操作可能なとき(フォアグラウンド)の動作やWi-Fi接続時は、制限できません。

Androidの次期バージョン「N」では、バックグラウンド動作時のバッテリー消費量・データ通信量を軽減できる「データセーバー」という新機能が登場します。この機能が有効なときは、モバイルデータ通信時におけるバックグラウンドでの通信が完全に停止されます。そのうえフォアグラウンドでのデータ通信も節約するため、Android端末がどのような状況にあるかにかかわらずムダがなくなります。SIMカードの通信量を少なめで契約している場合、役に立ちそうな機能ですね。

次の「Android N」では、アプリのデータ通信量を節約する新機能「データセーバー」が登場します