2016年6月22日(以下すべて現地時間、日本は23日未明)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14371を、Fastリングを選択したPC向けにリリースした。モバイルデバイス向けは6月21日の時点でリリース済みである。PC版はアクティベーションロジックを若干変更し、モバイル版はNFC決済を大幅に改善している。

ライセンス認証ロジックの改善とタッチ&ペイ機能の強化がポイント

Anniversary Update(開発コード名Redstone)リリースまで残すところ約1カ月、2回のBug Bashを経て、Microsoftの開発陣はWindows 10 バージョン1607の完成度を一歩ずつ高めている。PC版についてはバグフィックスが中心となるものの、我々がWindows 10を使う上でもっとも重要かつ不明確なアクティベーションについて変更が加わった。

そもそもWindowsはハードウェアごとにハッシュ値を取得し、そのしきい値を持ってハードウェア構成の変更を判断している。Windows 10でも同様なのかMicrosoftは明言していないが、Windows XP時代はこちらのWebページで説明しているように、GPUやNICを変更するとハードウェアコンポーネントのビットが立つことが分かるだろう。

Microsoft WDG(Windows and Devices Group) Software EngineerのDona Sarkar氏は、「ストレージやマザーボードなどを換装するとライセンス認証を求める」というフィードバックを受け、本ビルドからデジタル登録情報にMicrosoftアカウントをリンクする機能を導入した。以前からMicrosoftアカウントとデバイスの紐付けはなされており、Microsoftアカウント管理ページでも所有デバイスを確認できる。今回新たにアクティブ化したWindows 10 HomeおよびProをインストールしたPCに、Microsoftアカウントでサインインした場合、自動的にリンクされるという。

<ライセンス認証>にMicrosoftアカウントとのリンクを示すメッセージが加わる(インサイダーHubより抜粋)

「設定」の<ライセンス認証>にMicrosoftアカウントとのリンクを示すメッセージが現れるとSarkar氏は説明するが、筆者の環境では確認できなかった。また、アクティベーションが無効な状態では、トラブルシューティングツールへのリンクが加わり、Microsoftアカウントとリンクしたデバイスの一覧から合致するものを選択して、アクティベーションが可能になるという。

トラブルシューティングツールを使うと、リンク済みデバイスからアクティベーションするデバイスを選択できる(インサイダーHubより抜粋)

具体的にPCパーツを交換して動作を検証しないとロジック変更がどのような恩恵につながるのか簡単に述べることはできないが、筆者を含めた自作PCでWindows 10を利活用しているユーザーには、ひとまずの救済策となりそうだ。

Windows 10 Mobile Insider Previewに関する変更点は、「Microsoftウォレット 2.0」のサポートである。ビルド14360以上のWindows 10 Mobile Insider PreviewをインストールしたLumia 950/950XL/650といったNFC機能をサポートするデバイスで、タッチ&ペイによる決済を可能にするというもの。

タッチ&ペイ機能をサポートするWindows 10 Mobile(公式ブログより抜粋)

だが、Lumiaシリーズは日本で販売されておらず、本サービスを利用できるのは米国に限られる。公式ブログでは100万店舗で利用可能になると説明しているが、この点については実際に現地を訪れてみないと詳しく述べることはできない。

読者もご承知のとおり、デバイスを用いたタッチ&ペイサービスに対して日本は消極的で、先行する「Apple Pay」「Android Pay」も利用する場面は皆無である。一時期フィーチャーフォンの「おサイフケータイ」が普及したことが遠因にあることは明確だが、近年はSuicaなどに代表される電子マネーも普及し始めているため、Microsoftウォレットと共に広がることを期待したい。