ServiceNow Japan 社長 村瀬将思氏

ServiceNow Japanはこのほど、事業戦略説明会を開催した。説明会では、社長を務める村瀬将思氏が、同社が提供するソリューション、国内における戦略について語った。

ServiceNowは、米Peregrine Systemsおよび米Remedy CorporationのCTO(最高技術責任者)を務めていたFred Luddy氏が設立した企業で、「ServiceNow」という名称のクラウド上のプラットフォームで「サービス・マネジメント」「オペレーション・マネジメント」「ビジネス・マネジメント」に関する機能を提供している。

村瀬氏によると、初めに提供されたのは、ITILに準じた「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」であり、これらにおける「サービス管理」機能が他の業務でも適用できるということで、提供する機能が拡充されていったという。サービスの次に、IT運用においてはデータ管理が重要となるため、オペレーション・マネジメントに関する機能が提供され、最後に、収集したデータを活用するための機能として、ビジネス・マネジメントに関する機能が提供されることとなった。

ServiceNowが提供するサービス

「われわれは、ITILやグローバル標準が進まなかった日本企業がグローバルで戦えるように、競争優位性の強化を支援するとともに、日本企業のトランスフォーメーションをサポートしたい」と、村瀬氏は語った。

現在、企業ではメール、電話、ワークフローなど、さまざまな非構造化メッセージを介して業務が遂行されているが、リクエスターの社員、マネージャー、エグゼクティブ、プロバイダーのそれぞれが課題を抱えている。

しかし、単一のデータベースでデータを管理し、構造化されたワークフローとオーケストレーションを備えたServiceNowを活用することで、こうした問題が解決されるという。

左がServiceNowを導入する前の状況、右がServiceNowを導入した後の状況

村瀬氏は、ServiceNowが、バックオフィスが利用しているERPとフロンとオフィスが利用しているCRMと競合するのではなく、両者をつなぐ存在を目指していると述べた。これを実現する考え方として、「SIAM(Service Integration And Management)」が注目を集めているそうだ。

SIAM(Service Integration And Management)の仕組み

ServiceNowは、シティバンク、モルガンスタンレー、ジョンソン&ジョンソンなど、さまざまな業界のグローバル企業で導入されているが、国内企業としては、パナソニック インフォメーションズシステムズ、武田薬品工業、野村證券で導入されている。

国内企業での導入例

今後、日本市場に対しては、「Sales Excellenceの強化」「Businessエコシステムの確立」「人材育成」に取り組んでいく。「これまで、日本はグローバル標準への適用が遅れていたが、そうは言ってられない状況になってきた。そうしたなか、日本企業にはグローバルで使われているプラットフォームであるServiceNowを導入することで、グローバルで戦っていただきたい」と村瀬氏は語った。

昨今のIT業界における成功のキーワードである「プラットフォーム戦略」をとるServiceNowは、伸びしろの多いベンダーと言えるだろう。また、ユーザーからしても、用途に応じて機能を自在に拡張できるという点でメリットは大きい。これまで、日本ではあまりなじみがなかったサービスマネジメントだが、ビジネス・トランスフォーメーションの台頭とともに、注目を集めることになるかもしれない。