説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 10でサポートされない私のiPhone、これからどうなる?』という質問に答えます。

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WWDC 2016で、iOSの次期バージョン「iOS 10」の詳細が明らかになりました。動作対象機種はiPhone 5以降、iPhone 4Sはリストから名前が消えています。動作対象外の機種はOSアップデートを実行できませんから、残念ながら現在利用しているOS(iOS 9)を使い続けることになります。

iOS 9を使い続けるにおいて最大の不利益は、iOS 10および以降登場するOSの新機能を利用できないことです。アプリの機能を取り込むことができるロック画面、サードパーティー製アプリにも開放されたSiriの新機能、インタフェースが刷新されたミュージックアプリなど、iOS 10で話題の機能はことごとく利用できません。Appleが世に送る新機能の数々とは縁がなくなります。

そのうえ、セキュリティが保たれるという意味で「安心して使える」のはiOSの次バージョンが公開されてから数カ月です。過去を振り返れば、新OSが公開されると以前のバージョン系列ではソフトウェアアップデートが実施されなくなります。たとえば、iOS 8が公開(2014/9/17)されてからiOS 7系列のソフトウェアアップデートは実施されていませんし、iOS 9が公開(2015/9/16)された後のiOS 8系列でも同様でした。

Appleは、iOS各バージョンのサポート終了をはっきりと公開しませんが、セキュリティ目的のアップデートすら実施されないのであれば、積極的に利用すべきではありません。iOS 10の動作対象外となったiPhoneは、早い時期に現役を引退させることが無難です。

もっとも、セキュリティに目をつぶれば長く使い続けられることも事実です。キャリアの音声通話機能しか使わない、音楽再生専用機として使う、など最新機能やインターネット接続が必要なければ、ハードウェアレベルで動作しなくなるまで使い続けることもひとつの選択肢です。キャリアとの契約更新のタイミングを考慮に入れつつ、「次のiPhone」構想を温めてもいいのではないでしょうか。

iOS 10の動作対象機種からiPhone 4Sが消えました