多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『次のAndroidはシステムアップデートが速くなる?』という質問に答えます。

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はい、2016年後半に公開予定の次期バージョン「Android N(7.0)」では、新機能の「シームレスアップデート」によりシステムの更新時間が大幅に短縮されます。これまでシステムを更新しようとすると、アップデータのダウンロードからインストールと再起動までに、長い場合で1時間から2時間ほどAndroid端末を利用できなくなることを覚悟しなければなりませんでしたが、Android 7.0からは数分程度で済みそうです。

従来のAndroid OSでは、アップデートファイルをダウンロードしたあと、端末の電源をオフにして特殊な動作モード(リカバリーモード)で再起動してからアップデートを実行していました。しかし、シームレスアップデート導入後は、ユーザが端末を操作していても背後でダウンロード処理が進み、完了後には短い時間でアップデート後のシステムに切り替えられます。

ポイントは、内蔵ストレージ上に複数の領域(パーティション)を設け、稼働中のシステムとは切り離した状態でアップデートファイルをダウンロード・インストールすることにあります。一連の処理が完了したあと、稼働しているシステムのパーティションからアップデート後のパーティションへ切り替えれば、システム停止時間を短縮できるからです。まだ未公開のシステムであり、実際のアップデートを経験していませんが、Android端末が操作不能となる時間はおそらく数分でしょう。

ただし、Android Nが動作する端末のすべてがシームレスアップデートを利用できるわけではありません。複数パーティション構成となる必要上、既存のAndroid端末では対応できない可能性があります。推測になりますが、Android Nのリリースにあわせて発売されるNexusシリーズが初対応機となるのではないでしょうか。

2016年後半にリリース予定の「Android N」では、システム停止時間が短い「シームレスアップデート」をサポートします