2016年6月16日(現地時間、日本は17日朝)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14367を、Fastリングを選択したPCとモバイルデバイス向けにリリースした。フィードバックHubを起動するショートカットキーの追加や、手書き認識する言語のサポート、「Refresh Windows」ツールの公開が特徴的なビルドである。

まだまだ続くBug Bash向け早期リリースビルド

つい2日前にビルド14366に関する記事を寄稿したつもりだったが、あっという間にビルド14367がロールアウトされた。もっとも本稿を執筆している時点では、筆者のPC環境には降ってきていない(正午から試したところ、13時頃にようやくダウンロード可能になった)。Microsoft WDG(Windows and Devices Group) Software EngineerのDona Sarkar氏は「地域によって数時間の差が生じる」と公式ブログで説明しているが、Windows 10 Mobile Insider Previewをインストールしたモバイルデバイスには、早々にビルド14367がダウンロードされていた。

このようなタイミングでWindows 10 Insider Previewを更新する理由としてSarkar氏は、「Bug Bashを新鮮に保つため」と述べている。Windows 10 Anniversary Updateのリリースタイミングが近づいているため、バグ出しが重要であることは承知しているが、少々面を食らった気分だ。それこそMicrosoft社内向けのCanaryリングを選択している社員は、このようなリズムでWindows 10 Insider Previewを試しているのだろう。

ビルド14367では、「フィードバックHub」を呼び出すための新しいショートカットキー[Win]+[F]キーが追加された。同キーを押すとスクリーンショットの撮影と同時にフィードバックHubが起動し、Microsoftへのフィードバックが容易になるとSarkar氏は説明している。だが、筆者が確認した限りではフィードバックHubは起動するもののトップページのまま固定し、スクリーションショットの撮影などは行われなかった。ちなみにフィードバックHubを起動するショートカットキーは、以前から[Win]+[Shift]+[?]キーが割り当てられていたが、今回の仕様変更により削除されている。

[Win]+[F]キーでフィードバックHubは起動するものの、スクリーションショットの撮影は行われなかった

また、手書き認識する言語を23カ国語まで拡大した。既に日本語はサポート済みだが、新たにインドネシア語やマレー語、スワヒリ語、コーサ語、ズールー族のようなアフリカの言語などをサポート。Windows 10 Anniversary Updateの新機能の1つとして、Windows Inkが数えられていることから、手書き認識機能も合わせて強化しているのだろう。なお、サポートする言語はこちらのサイトで確認できる。

そして本ビルドと同じタイミングで「Refresh Windows」が公開された。数日前からインターネット上でリークされていたRefresh Windowsは、Windows 10のクリーンインストールを行うツールである。ビルド14342以降を対象に個人用ファイルのみ引き継ぐか、一切を削除してクリーンインストールするか選択可能。たまたま最新ビルドが降ってこないビルド14361をインストールした仮想マシンがあったので、<個人用ファイルを引き継ぐ>を選択して実行してみたところ、Windows 10アップグレード時と同じく、必要なファイルのダウンロードから始まった。

「Refresh Windows」を起動した状態。デザインや選択項目も「メディア作成ツール」に類似している

セットアップを行っている最中に現れたメッセージ。<個人用ファイルのみを引き継ぐ>を選択したからか、他の項目は選択できなかった

ちょうど「メディア作成ツール」で<このPCを今すぐアップグレードする>を選択した時と同じプロセスを思い出すと分かりやすいだろう。なお、Refresh Windowsはプレビュー版のため、インストールされるWindows 10はInsider Preview ビルド14342だった。インサイダーの方はこちらのリンク先からRefresh Windowsをダウンロードし、実際に試してほしい。

途中で標準使用言語の選択やタイムゾーンの設定をうながされた