2000年代前半から目立ち始めた“手もみ”などを用いて体の緊張をほぐすリラクゼーション店。矢野経済研究所の「ボディケア・リフレクソロジー市場規模推移」によれば、2011年に約990億円規模だった市場は微増を続け、2015年には約1,077億円(予測)規模になるとしている。こうした中、スタートからわずか6年で全国に500店舗超を展開するまでになった企業がある。株式会社りらくだ。

ロードサイドを中心に出店拡大

りらく 執行役員 事業戦略本部長 兼 経営戦略部 部長 情報システム部 部長 マーケティング・コミュニケーション部 小河博嗣氏

もともと同社は大阪を基盤とする美容室だった。それがわずかの期間で、運営する「りらくる」を500店舗以上、売上高200億を超す業界の“リーディングカンパニー”ともいえる存在になった。この急成長のカギは、その戦略にある。

同社の執行役員 小河博嗣氏は「ロードサイド中心に店舗展開することで、急成長を果たしました」と、出店先のターゲットを定めたことが急成長の理由だと話した。さらに、撤退したコンビニ店舗などの居抜き物件を活用することで初期投資を抑制。また、居抜き物件であることから内装を整えるだけでよく、出店までのリードタイムを縮めることができ、1週間に2店舗オープンのハイペースで拡大していった。

確かにリラクゼーション店というと駅前などの繁華街に出店されているイメージが強い。見逃していただけかもしれないが、郊外のロードサイドでこうした店はあまり見かけない。しかもコンビニの居抜き物件に着目した点も“目利きだった”といえる。コンビニはもはや飽和状態で、競争力のない店の撤退は珍しいことではない。さらにロードサイドの“元コンビニ”なら駐車場が併設されていることがほとんどで、客はクルマでリラクゼーションの施術を受けに来られる、というワケだ。

りらくる 池上店。国道1号沿いと、まさにロードサイド。以前はコンビニだったそうだ

小河氏によると「500店は通過点。1,000店舗オープンを目指しています」と意気込む。