パナソニック「LUMIX GX7 Mark II (DMC-GX7MK2)」は、マイクロフォーサーズシステムに準拠したミラーレスカメラだ。ストリートフォト一眼をうたうLUMIX GXシリーズの最新作であり、手ブレ補正の強化やボディの薄型化、撮像素子のローパスレス化などを図っている。その画質や使い勝手はどうなのか。実写レビューをお伝えしよう。

パナソニック「LUMIX GX7 Mark II」。実勢価格(税込)は、ボディ単体が90,000円前後、「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」を組み合わせた標準ズームレンズキットが100,000円前後、「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」を組み合わせた単焦点ライカDGレンズキットが130,000円前後

多彩なラインアップを誇るLUMIXの中でも「LUMIX GX」シリーズは、多機能と機動性をバランスよく両立させたカメラだ。2011年に初めて「GX1」をリリースしたあと、2013年に「GX7」を、2015年に「GX8」をそれぞれ発売。そして今回のGX7 Mark IIは、GX8の下位モデルで、GX7の後継モデルという位置づけになる。

外観と手ブレ補正機能をチェック

まずは外観を見てみよう。ボディは、高さを抑えた横長の長方形スタイルだ。外形寸法は幅122×高さ70.6×奥行き43.9mm。前モデルGX7に比較した場合、ボディ全体のサイズ感はほとんど同じだが、グリップ部の膨らみは少し薄くなっている。本体重量は約23gアップして約383g。ミラーレスカメラとしては標準的なサイズと重量といっていい。

外装は主に樹脂素材。天面のダイヤルにはアルミの削り出し加工を施して高級感を与え、さらに前面から側面、背面にかけてはレザー調の表面処理を加えてグリップ感を高めている。

前モデルからの進化ポイントは、手ブレ補正を強化したこと。ボディ側とレンズ側の両方で手ブレ補正を行う「Dual I.S.」を搭載したうえで、新たに夜景などで生じやすい回転方向のブレ補正にも対応。これによって対応レンズ装着時には、ボディ側5軸とレンズ側2軸の補正が連動し、幅広いシーンでのブレ補正が可能になった。しかも、従来は非対応だった動画撮影時のボディ内補正も有効に使える。

CIPA準拠の手ブレ補正効果はシャッター速度4段分。実際の使用では、高倍率ズーム「LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」の140mm側 (280mm相当) を装着して、シャッター速度1/15秒で約9割、シャッター速度1/8秒で約4割の写真をブレなしで撮影できた。公称値の効果4段分は確実にあるといっていい。

液晶モニターは3型の約104万ドット。静電容量式のタッチパネルやチルト可動機構を継承している

液晶をチルトした際に、自動切り換え用のアイセンサーが無効化されるようになったのは便利だ

前モデルGX7のEVFはチルト可動式だったが、本モデルでは固定式に変更。EVFの表示は小さめで、視認性にはもの足りなさが残る

グリップの前後に2つの電子ダイヤルを備え、絞り値やシャッター速度などをダイレクトに調整できる

手ブレ補正の設定画面。ボディ側で角度ブレ (Pitch/Yaw) や回転ブレ (Roll)、並進ブレ (X/Y) の大きなブレを補正し、レンズ側で角度ブレ (Pitch/Yaw) の細かなブレを補正する仕組みだ

電源には、引き続きリチウムイオン充電池「DMW-BLG10」を採用。CIPA規格の撮影コマ数は、液晶モニター使用時で約290枚となる