日立マクセルは6月9日、都内にて、ハイレゾ対応ヘッドホン「MXH-MD5000」の試聴会を開催した。

美しく仕上げられたハウジングにmマークを施したシンプルなデザイン。ケーブルは着脱式の片出しタイプで、2本のケーブル(1.2m/3m)が付属する。対応のケーブルを接続すれば、バランス駆動にも対応。推定市場価格は税別39,800円前後

10年ぶりの本格オーバーヘッドホン

MXH-MD5000は、日立マクセルが約10年ぶりに開発したオーバーヘッド型ヘッドホン。イベントの冒頭に登場した日立マクセル ライフソリューション事業本部の副主幹の河原健介氏は、「40年以上にわたり音響製品を提供し続ける弊社が、純粋に良い音を届けたいとの想いから、総力を上げて開発した製品。日立マクセル独自の音響技術を搭載した製品にのみ与えられる"mマーク"の系譜に、新たな1ページを刻むことになるだろう」とアピールした。

MXH-MD5000の製品名にある「MD」は、Metal Diaphragmの頭文字から採られたもの。同じくライフソリューション事業本部 課長の沢辺祐二氏は製品のターゲットについて「音に強いこだわりを持つユーザー、音響リテラシーが比較的高いユーザーを想定している」と語った。

製品のコンセプトや開発の背景などを説明する日立マクセル ライフソリューション事業本部の沢辺祐二氏(左)と、製品の解説を担当した河原健介氏(右)

ベリリウムコートが高音質を加速

MXH-MD5000の大きな特徴は、ベリリウム合金でコーティングされた振動板ユニットを採用している点。ベリリウムコート振動板は、「高域を伸ばす音の伝播速度の速さ」、「振動時に変形しない硬さ」、「振動板を早く動かすための軽さ」、「共振させない高い内部損失特性」などの効果を持つ。特に、ベリリウムの音伝導性には特筆すべきものがあり、その速度は12,302m/sと音速(340m/s)の約36倍。「製品カタログなどにも記載されているマッハ36の表記は、このことに由来する」と沢辺氏は話す。

そのほかにも、緻密で繊細な空間設計による「デュアルチャンバー構造」、密閉性と装着感に優れた低反発素材を用いた立体縫製イヤーパッド、着脱式ケーブルなど、高品位ヘッドホンに求められる要素を兼ね備えている。

高級スピーカーなどにも使われるベリリウムコート振動板を採用。5層の音響レジスターが緻密に音域バランスを調整し、フラットな再生音を実現する

繊細かつバランスのよいサウンド

さて、気になる実際の音だが、ベリリウムコート振動板を採用したドライバーユニットの影響か、非常に小気味よいサウンドを実現している。アタック感の強い最近流行のサウンドもレスポンスよく再生していた。特別に低域や高域が強調されるようなこともなく、原音に忠実で余計な色づけのないストレートなサウンドが印象的だ。ハイスピードで伸びのある高域、安定した深みのある低域がバランスよくマッチングしており、クラッシック、ポップス、ロック、ジャズなど、幅広いジャンルの音楽を高次元で楽しめる。リスニングのみならず制作現場のモニターとしても活躍してくれそうだ。

やや大きめのボディーではあるが、低反発素材イヤーパッドのおかげで装着感がよい。会場にはヘッドホンアンプなども用意されており、ハイレゾ音源の試聴も行えた

決して派手ではないが、日立マクセルのゆるぎないテクノロジーと設計思想に裏付けされた質実剛健なサウンドを味わえる製品。響きに包み込まれるような体験を、ぜひとも一度味わってみてほしい。