ASUSTeK Computerはこのほど、COMPUTEX 2016に合わせて同社のゲーミングブランド「R.O.G.」のイベントを開催。2016年で設立10周年を迎えるという「R.O.G.」の、"次の10年"を見据えた製品の展示が行われた。

次の10年もゲーマーのためにイノベーションを

まず、ASUSの会長であるジョニー・シー氏が登場。ゲーミングブランドのイベントということを意識してか、「ZEN」ブランドの発表会のときとはまったく異なり、黒ずくめの姿だった。

ASUSの会長であるジョニー・シー氏。黒いレザーコートをまとった姿で登場

シー氏は、液冷ユニットを着脱できるゲーミングノートPCや、可動式PCケースを利用したゲーミングPC、空冷と液冷に対応したハイブリッドマザーボード、LEDによるイルミネーション機能を搭載したグラフィックスカード、G-SYNC対応ディスプレイ、ゲーム向け機能を備えたLANルータなど、これまで「R.O.G.」が投入してきた"世界初"の製品を紹介し、「これからの10年もR.O.G.はゲーマーのためにイノベーションを起こしていく」と挨拶した。

10周年記念マザーボード「RAMPAGE V EDITION 10」

続いて、R.O.G.を統括するデレク・ユー氏が新製品を披露した。はじめに紹介されたのは、R.O.G.の10周年を記念したゲーミングマザーボード「RAMPAGE V EDITION 10」だ。チップセットにIntel X99 Expressを搭載し、31日に発表されたIntelの最新ハイエンドCPU「Broadwell-E」をサポートする。

ゲーム向け機能はもちろんのこと、安定性の高いデジタル電源回路や高品質コンポーネントを採用することで、高いオーバークロック性能を備える。また、イルミネーション機能「AURA」を強化。IO部分のシュラウド、チップセットのヒートシンク、PCI Expressスロット、基盤背面にLEDを内蔵し、点灯させることができる。

ケーブルレスのモジュール式PC「Avalon」

続けて紹介されたのは、コンセプトPC「Avalon」。IOポートや電源、拡張カードといったパーツをケーブルレスで装着したり、取り外したりできるPCだ。ケースもIN WINと協業した特別製となっている。

コンセプトPC「Avalon」。

マザーボードも特殊で表面はCPUソケットとメモリスロットのみ

裏返すと立体的な姿が現れる。ライザーカードのようなものをつかって、拡張カードを取り付けていくような形だ

反対側の側面にも拡張カード用のスロット

IOポートもいくつか異なる構成のものが用意されており、そこから選んで取り付ける

さまざまなフォームファクタが登場してきたが、Avalonもそれに続くものだという

GeForce GTX 1080を2way SLIで搭載した小型ゲーミングPC

「ROG G31 Edition 10」は、容量20Lの小型筐体ながら、グラフィックスにGeForce GTX 1080を2way SLIで搭載したハイエンドゲーミングPC。ベイパーチャンバーと空気が通る2個所の経路により、冷却性能と静音性を高めているという。

容量20リットルの小型筐体ながらハイエンド仕様のROG G31 Edition 10

本体の隣にあるボックスは電源ユニットだという

GeForce GTX 1080を1枚搭載したときと比較して、パフォーマンスは約1.7倍。4K解像度/最高設定のDOOMを60fpsでプレイすることが可能とのことだ。また、専用のオーディオDACをそなえる。

SLIでのパフォーマンスは、GeForce GTX 1080を1枚搭載したときと比較して約1.7倍

水冷ユニットと着脱できるゲーミングノートに新モデル

巨大な水冷ユニットと接続可能なゲーミングノートPC「GX700」の後継モデルとなる「GX800」も披露された。本体と水冷ユニット自体はそのままのようだが、グラフィックスとして「NVIDIAの最新GPU」をSLIで搭載するという。動作クロックや旧モデルとのパフォーマンス比較の記述を見ると、おそらく「Pascal」ベースのGPUが採用されるようだ。

水冷ユニットと着脱できるゲーミングノートPC「GX800」

相変わらず巨大な水冷ユニット。着脱の際のギミックなどはこれまでと変わらない

グラフィックスの動作クロックが高い

比較にはグラフィックスのモデルナンバーが書かれていないが、GeForce GTX 980搭載モデルから大きくパフォーマンスが向上していることから、おそらくは「Pascal」世代のGPUが搭載されるはずだ