COMPUTEXでは、毎年ケースメーカーがさまざまな製品を展示することでもおなじみだ。2016年もベーシックなケースから、一風変わったユニークなケースまでそろった中から、注目製品を紹介しよう。

IN WIN - 既存のオープンエアケースをバージョン「2.0」に

IN WINは、既存の大型オープンエアケース「D-Frame」「H-Frame」「X-Frame」をモデルチェンジ。ユーザーからの意見をフィードバックしたというバージョン「2.0」を展示していた。大きな特徴は、オリジナル設計の1065W電源を搭載していること。通常のATX電源よりも一回り大きく、16.5cmの大型静音ファンを搭載している。

パイプを使った「D-Frame 2.0」

多層パネル構造の「H-Frame 2.0」

まな板タイプの「X-Frame 2.0」

X-Frame 2.0は縦置きにも対応した

この3モデルの電源ユニットは、電気的な仕様は同一であるものの、外観は各モデルごとにカスタマイズされている。電源としては珍しく、サイドが透明になっており、内部が見えるのもユニークだ。ケーブルはフルモジュラー式。電源切断後も給電する6ピン端子や、急速充電可能なUSBポートも用意されている。

3モデルの電源。外観はそれぞれに合わせてデザインされている

「EXTRA POWER」ポートは電源切断後も給電可能。時間も設定できる

また、そのほかケースで面白かったのは、トリッキーなフロントパネルがユニークな「805 Infinity」。覗き込むと、LEDが奥まで並んでおり、内部が空っぽのように見えるのだが、仕組みが分かるだろうか?

これが「805 Infinity」

無限にLEDが続くように見える

本物のLEDストリップは手前側にあるモノだけで、あとは合わせ鏡になっているそうだ。LEDの発光カラーや発光モードは、ソフトウェアから設定が可能。日本での発売は未定とのことだが、ぜひ期待したいところだ。

横から見るとちゃんと中身がある

本物のLEDストリップは手前1列だけ

CRYORIG - 同社初のケースはMini-ITX対応

CRYORIGは、同社初のケース製品として、2つのMini-ITXケースを展示していた。円筒型の「OLA」と、モニタースタンド型の「TAKU」。どちらもライザーカードにより、小型ケースながらグラフィックスカードの搭載に対応しているのが特徴だ。電源はSFX(別売)。発売は来年を予定しており、価格は200ドルくらいになる見込み。

OLAは直径226mm、高さ378.5mmの円筒ケース。フルサイズのグラフィックスカードの格納が可能で、デモ機ではGeForce GTX 1080が搭載されていた。天板側に14cmファンを内蔵しており、煙突のように効率的に冷却を行うことができる。フロントパネルは2種類で、通常のブラシ仕上げのほか、木目調のものも用意されるようだ。

円筒ケース「OLA」。まるで丸太のよう

グラフィックスカードは縦に搭載する

マザーボードは反対側のスペースに格納

TAKUはW567×H134.8×D270mmのスリムケース。天板の上にモニターを乗せて、下部の空間にはキーボードを収納できるので、デスクトップの狭いスペースを有効に活用できる。搭載できるグラフィックスカードは24cm長まで。

モニタースタンド型ケース「TAKU」

内部。中央がグラフィックスカードだ

脚は本物の木材でできていた

Thermaltake - 壁掛け対応ケースの廉価モデルが登場

Thermaltakeは今回もさまざまなケースを展示していたが、筆者のイチオシは壁掛け対応ケースの「Core P3」である。現在発売中の「同 P5」の小型版で、P5が4連ファンのラジエータに対応していたのに対し、P3は3連までとなる。P5よりもコンパクトになった分、部屋に置きやすくなった。価格は12,000円前後で、2016年Q3~Q4に発売する予定。

「Core P3」は白バージョンもあるようだ

展示機。水冷を綺麗にアピールできる

また、「Core P1」というコンセプトモデルも面白かった。これはなんと、3Dプリンタで作ったというケースだ。P3のさらに小型といったスタイルで、Mini-ITXマザーボードの搭載が可能になっていた。ただ、同社として初の形態であるだけに、モノを売るのかデータを売るのか、具体的な販売方法はまだ検討中とのことだった。

コンセプトモデル「Core P1」はMini-ITX向け

このケースは3Dプリンタで出力したという

be quiet! - 配置を自由に変えられるケース

be quiet!は、通常配置と倒立配置を自由に選べるというユニークなケース「Dark Base 900」シリーズを展示していた。マザーボードトレイとリアパネルがケースから独立しており、反転しても設置可能というもの。無印版と「Pro」版が用意され、Proはサイドパネルがウィンドウになるほか、Qiのワイヤレス充電ベースも内蔵される。

マザーボードトレイとリアパネルが丸ごと外れる

通常配置(右)と倒立配置(左)を好みに応じて変えられる

Pro版はトップパネルに充電ベースを内蔵する

SilverStone - スリムMini-ITXケースをVR用にカスタマイズ

SilverStoneのブースでは、スリムMini-ITXケース「ML07」をベースに、VR用にカスタマイズした「ML07-VR」(プロトタイプ)が面白かった。ML07からの主な変更点は、キャリングハンドルと液晶ディスプレイの追加。HTC ViveなどのVRゴーグルと一緒に持ち運べば、いつでもどこでもVRを楽しむことができるというわけだ。

液晶ディスプレイも装備した「ML07-VR」