長期ユーザーに対する待遇の改善を促す総務省タスクフォースの提言により、各キャリアの長期契約ユーザーに対する還元策が明らかになった。キャリア間の値段もサービスも横並びになりつつある今、むやみとMNPでほかのキャリアに転出するのではなく、現在のキャリアを長く使うことによるメリットについても考慮する必要がある。各社の長期割引サービスを比較してみよう。

スタンダードに値引きをするNTTドコモ

NTTドコモの場合、日本で最初の携帯電話サービスだったこと、スマートフォン以前に爆発的にヒットしたiモードの影響などにより、10年、15年以上の長期利用ユーザーは最も多い。逆にiPhoneの導入が遅れたことなどにより、MNPで多くの転出を招いてきたという側面もある。

MNP対策の一環として、2014年にドコモが導入したのが長期利用者向けの割引サービス「ずっとドコモ割」だ。これは継続利用年数が5年以上のユーザーに対して、2年定期契約(いわゆる2年縛り)の適用を条件に、毎月の利用金額から一定額を割り引くというサービスだが、今年6月から適用対象を継続4年以上の利用に拡大し、割引額もそれぞれアップさせている。

高額なコースが必ずしも高倍率の還元率になっているわけではないが、15年以上のユーザーになれば、ほぼ10%以上の還元率となる。なお、還元が受けられないが縛りのない「フリーコース」も新設された

これに加えて、長期契約ユーザーには「dポイント」においてのステージ優遇も行われる。具体的には10年以上の契約者は自動的にブロンズステージに、15年以上でシルバーステージにランクアップする。ただし、ブロンズ・シルバーの両ステージでは、携帯電話料金に対するポイント率は変わらないため、ここでは特に触れないものとする。