フライドチキンでおなじみのケンタッキーが、2016年4月に新業態の店舗CAFE&BARタイプの「KFC 高田馬場店」をオープンした。昼はカフェ、夜はバル形式で、「これがケンタッキー?」と思うような大人っぽい内装。落ち着きのある空間で、ゆったりくつろげそうな雰囲気だ。

この店舗のコンセプトは「好きな時間に、好きな場所で、好きなフードやドリンクを。」というもの。朝昼晩で違うフードメニューを提供し、アルコール含む多彩なドリンクを揃える。ケンタッキーはなぜ、このような新業態の店舗にチャレンジしたのだろうか。

4月にオープンしたKFC高田馬場店。内装は「CASUAL×FASHION×POP」がテーマ。良い意味で"チェーン店らしさ"があまり感じられないデザインだ

ねらいは20~30代女性

日本ケンタッキー・フライド・チキン 新規事業部の大竹彩子氏

「20~30代女性のお客様がメインターゲットと考えていました」と話すのは日本ケンタッキー・フライド・チキン 新規事業部の大竹彩子氏。この店舗の、いわば仕掛け人だ。高田馬場は学生や社会人などいろいろな人が集まる街で、それぞれ自分の使い方をみつけてほしいという思いから、このようなCAFE&BAR形式にしたそうだ。

朝昼晩でフードメニューが異なるので、1日に3回来ても楽しめるのが特徴。それは「自分の使い方」を提供するための戦略だったが、結果は狙い通り。朝昼晩、どの時間もにぎわいをみせている。ちなみに、筆者が取材でお邪魔したのは平日の15時前後。いわゆる"アイドルタイム"という、一般的には飲食店が空く時間帯でお願いしたにもかかわらず、実際には"ほぼ満席"状態だった。

高田馬場でCAFE&BAR形式の店舗をオープンした理由については、「いろいろな人が集まっていて、平日も土日も、そして昼も夜もにぎわっている街。こんな場所は他にあまりないため、新しいコンセプトの発信源としてふさわしいと判断しました」と大竹氏は話す。

改装して今の業態になった高田馬場店は、もともとテイクアウトに強い店。そのため、改装前は14時にもなると店内に空席があった。しかしそれではせっかくのイートインスペースがもったいない。そこで、リニューアルを良いキッカケに、イートインの利用者も増えるような新コンセプトを打ち出したというわけだ。