北海道で食べたいご当地グルメといえば、やっぱりラーメン。数多くのラーメン店が集まる札幌駅周辺から、個性的なメニューが味わえる地元で人気の店3軒を紹介しよう。

「ラーメン札幌 一粒庵」の「元気のでるみそラーメン」DXサイズ(1,000円)。小(750円)、メガ(1,150円)もある

においを抑える調理法を研究

最初に紹介するのは、「ラーメン札幌 一粒庵(いちりゅうあん)」。ここでは、北海道の春の山菜を代表するギョウジャニンニクを使ったラーメンを味わえる。ギョウジャニンニクには古くから疲労回復効果があるといわれ、ニンニクのような強烈なにおいがする。

店主の大島庸司さんは、ギョウジャニンニクの効用に関する研究で知られる元北海道東海大学学長・西村弘行農学博士に技術指導を受け、においを抑える調理法を研究。看板メニュー「元気のでるみそラーメン」(750円~)の具として提供中だ。

調理中の店主・大島庸司さん。地元のラーメン好きの間で研究熱心だと評判

スクランブルエッグの中にギョウジャニンニクが!

「元気のでるみそラーメン」を初めて注文した人は、肝心のギョウジャニンニクが見当たらないのを不思議に思うかもしれない。が、実はトッピングのスクランブルエッグの中に入っている。北海道十勝地方の浦幌町で採れた天然ギョウジャニンニクを豚ひき肉と炒めて半熟の卵とじに仕上げてあり、においが気にならず口当たりもいい。

スープは豚骨と鶏ガラ、野菜、昆布などを弱火でじっくり煮込んだ清湯系だ。さらにスネ肉チャーシューや長ネギなども加わり、北海道産大豆と米麹を使った長期熟成味噌の濃厚な風味が、全体をひとつにまとめあげている。

麺工房を併設した店舗。入口には「地場産品応援の店」の緑提灯も

自家製の麺をはじめ、北海道の食材を満載

同店は北海道の食材にこだわり、店で使う食材の約9割が道産品。太麺・中太縮れ麺・ストレート麺の3種類そろった麺も、北海道産小麦100%の自家製麺だ。

また、店主の大島さんは全国醤油工業協同組合連合会に顕彰された「醤油名匠」でもあり、再仕込み醤油のコクのある香りと海産物のうま味が調和した「新しょうゆラーメン」(950円)も評判だ。そのほかにも、肩ロース・バラ・モモ・きざみのチャーシュー4種を盛りこんだ「特製みそチャーシューめん」(1,250円)、北海道産ブランド黒豚の特注荒びき肉を使い、一つひとつ丁寧に手包みしたディナータイム限定の「手作りギョーザ」(6個500円~)などもそろう。

どの品からも「一期一会」のおもてなしを大切にする店主の心意気が伝わる、行列覚悟で食べに行く価値のある店だ。

●information
ラーメン札幌 一粒庵
住所: 北海道札幌市中央区北四条西1丁目 ホクレンビルB1
営業時間: 11:30~15:00、17:00~21:00
定休日: 日曜日