個人的に今年注目しているメニューがある。一昨年はヌードルメーカーが登場して、家電市場では麺料理への関心が高まった。そして昨年は高級トースターが話題を呼び、美味しくパンを食べる機会が増えた。そして今年はピザだ。美味しくピザが焼けるオーブンやグリルなど、調理家電が数多く揃うのではと思っていた中、とんでもない製品が登場した。それが、タイガー魔法瓶の「業務用 電気式コンパクトピッツァ窯 KPX-S300 (以下KPX-S300)」だ。

タイガー魔法瓶の「業務用 電気式コンパクトピッツァ窯 KPX-S300」。想定売価は50万円前後

この「KPX-S300」は約7.5mmの高密度の炭プレートを庫内に配置することで、本格的な石窯のようにピッツァ (※) を焼き上げられるという。それでいて凄いのが熱源だ。1200Wのカーボンヒーターを使い、電源は家庭用と同じ100Vコンセントで利用可能。特別な工事を行うことなく設置できるのだ。

※本稿においては、タイガーのイタリア風「ピッツァ」に対するこだわりを尊重するため、「ピザ」と「ピッツァ」の両表記を混在させて掲載します。

とはいえ、KPX-S300はあくまで「業務用」の製品。本体サイズは幅534mm、高さ397mm、奥行き634mm (取っ手含む) と大きく、家庭で置くスペースを確保するのはなかなか難しそうだ。

本体の設置サイズがわかるよう、実寸の写真を掲載したパンフレットも用意されている

しかし、業務用と言われても、KPX-S300で焼いたピッツァはぜひ食べてみたい。筆者の家族は全員、ピザが大好き。チーズ大好き一家なのだ。

その思いをタイガーさんに強くぶつけたところ、「発売前なのでお貸し出しは難しいですが、大阪までお越しいただければ試食も可能です」というではないか。となると行くしかない。そこで、子どもたちの長期休みの期間を利用して、大阪にあるタイガー本社まで、KPX-S300で焼いたピッツァを食べに行ってきた。

大きな窯でカリモチの薄生地ピッツァが!

タイガー本社に到着し、多くの商品が展示してある部屋に入ると、そこにはドーンとKPX-S300が鎮座していた。サイズは確かに家庭用としてなかなか置けない大きさ。筆者宅に置くとなるとダイニングテーブルの大半を占拠してしまいそうだ。

しかし、表面はまさにピッツァ窯。丸いドーム状のボディにはイタリアのピッツェリアのようにレンガが貼られ、雰囲気も抜群だ。

窯の横にはKPX-S300を担当したタイガーの北山さんも待ってくれていた。早速、お話を聞きつつ、ピッツァをいただくことにした。

優しく迎えてくれたタイガー魔法瓶 ソリューショングループ 商品企画チームの北山浩さん。ピッツァ窯の責任者だ