日本マイクロソフト デベロッパー エバンジェリズム統括本部 プラットフォーム エバンジェリストの高橋忍氏

2016年5月24日開催の「de:code 2016」では、「Windows 10デバイスとUWP完全解説」をテーマにしたセッションが開催された。

メインはソフトウェア開発の話だったが、本稿では開発者がUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションを開発することで、Windows 10プラットフォームで何を実現できるか、といった切り口でセッション内容をご紹介する。

セッションを受け持った日本マイクロソフト デベロッパー エバンジェリズム統括本部 プラットフォーム エバンジェリストの高橋忍氏は、Windows 10ファミリーを指して「1つのOSであり、すべてのデバイスを網羅する」と紹介しつつも、デスクトップアプリは既存のPC環境でしか動作せず、アーキテクチャが異なるWindows 10 Mobileでは動作しないと補足。Project Centennialの名前で開発が進められてきた「Desktop App Converter」(現在プレビュー版)を使っても「秀丸(テキストエディタ)は動かない。夢を見ちゃダメだ」という軽口で会場を盛り上げた。

UWPの概要。さまざまなデバイスに共通してUWPがあり、その上で各種アプリケーションが動作する

Windows 10で動作するアプリケーションをまとめたもの。こうして振り返るとWindows Phone 7/8からWindowsストアアプリ、そしてUWPアプリケーションとした系譜があることを思い出させられる

Desktop App Converterとは既存のデスクトップアプリを UWPアプリ化するツールのこと。2016年夏に提供されるWindows 10の大型アップデートAnniversary Updateに搭載予定の機能で、同じく24日に行われた基調講演では、「秀丸」をDesktop App ConverterによりUWPアプリ化するデモが行われた。

セッションでは上手く動作しなかったため、基調講演でのDesktop App Converterデモを紹介。プレビュー版のためアイコンリソースなどは割り当てられていないが、コンテキストメニューでプロパティが省かれ、UWP化した状態でPC上で動作していることがわかる

さて、そのためUWPアプリケーションへの移行が、Windows 10ファミリーにとって重要だが、高橋氏の壇上で述べたように普及率は芳しくない。ワールドワイドで見ればWindows 10のインストールベースは3億台を突破したとMicrosoftは発表するが、Windowsストアを「知らない。使わない。使えない」という状況が多いという。そこで必要なのが「良いアプリケーションが1つあればいい。来場者は素晴らしいアプリケーションを作って僕を助けてほしい(笑)」と来場者の笑いを誘った。