さて、前段からいよいよ、iPadに主たる環境を移す過程をご紹介して行きたいと思います。

筆者は、Retinaディスプレイを搭載した第三世代iPadを使っていました。その後、7.9インチの小型モデルとして登場したiPad miniに乗り換え、続いてRetinaディスプレイ化されたiPad mini 2に乗り換えました。

後に、9.7インチモデルはより薄型化を極めたiPad Airシリーズへ移行しますが、同時に5.5インチのiPhone 6 Plusの登場からiPad mini 2の使用頻度が極端に落ちてしまい、iPadシリーズの買い替えをしなくなりました。

iPad mini 2では、主に読書やニュースチェックなど、文字を読むシーンでの利用が多かったため、画面が拡大し、より高品位なディスプレイを搭載するようになったiPhone 6 Plusが、その役割を完全に奪うことになったのです。iPadの販売の下落が顕著になってきており、もちろん複数の要因があるでしょうが、「iPhoneの画面サイズ拡大によって、iPadが売れない」という説明は、実際に筆者が経験していたことそのままでした。

筆者は、iPadの新製品は毎回試し、過去のデバイスからの刷新のポイントの評価を行い続けてきました。例えばiPad Air 2は、コミュニケーションツールとしての有用性を見出すことができました。

iPad Air 2

筆者家族は米国で暮らしていますが、現代において、日米間を国際電話で話すなんてことはもうしません。FaceTimeを使えば映像つきで、自宅のWi-Fi環境下であれば無料での通話ができます。また、離れて暮らしている家族で写真を共有する際にも、現像とプリント、郵送などはせず、iCloud写真共有で瞬時に届けます。しかも、ビデオも含めることができます。

パソコンを使う習慣がない筆者の母にとっては、iPad Air 2でのテレビ電話や写真の共有はちょうど良い活用方法だったのです。こうした役割の発見と提案、そして実際にうまく機能する様子を発見するのは、とても楽しい作業でした。しかし、筆者はiPadからではなく、スマートフォンであるiPhoneで写真を撮って共有し、FaceTimeで電話をかけていました。

ということもあって、ここ数年間のiPadのレビューは毎回楽しいものでしたが、どこか、「自分に当てはまらない」と引っ掛かるとことがあったのです。