こうした筆者にとっての「iPadとの複雑な関係」に変化をもたらしたデバイスが、12.9インチiPad Proでした。

Appleは2015年9月に開催したイベントにおいて、iPhone 6sシリーズとApple TV、そして12.9インチiPad Pro、iPad mini 4を発表しました。このiPad Proは、筆者の中でのiPadの概念を大きく変えてくれたのです。

12.9インチiPad Pro

iPad Proは、A9Xプロセッサを搭載し、4Kビデオを3ストリーム同時に編集できるパフォーマンス、当時販売されているPCの8割よりも早いグラフィックス性能、そしてモバイルデバイスとして重要なバッテリー持続性を両立する「スーパーコンピュータ」として紹介されました。

iPadではお馴染みとなった磁石でくっつくSmart Coverを拡張し、非常に薄い折りたたみ式のキーボード、Smart Keyboardをアクセサリとして揃えました。これによって、iPadを開くだけですぐに使えるフルキーボードを搭載するようになりました。

筆者はキーボードでの文字入力が仕事で大きな時間を占めており、キーボードの使いやすさ次第では、iPadの印象が大きく変わる可能性を秘めていました。