ストレスチェック制度が義務化されて約半年が経過した。対応の早い企業では、この夏頃にはストレスチェックを実施する予定でいる。しかし、その結果をどのように具体的に職場改善に活かしていくのか、まだ見えていないことも多いだろう。

クラウド型ストレスチェックサービス「こころの健診センター」を提供するパイプドビッツは、6年前から社内でストレスチェックを実施している企業だ。制度をどのように運用することが重要なのか、同社人事部長を歴任し現在は「こころの健診センター」を提案している経営ソリューション事業部 コンプライアンスプランナーの岸利賢氏と、ストレスチェック制度の実施事務従事者を担う(同社の人事権は役員会にある)人事総務部長の小野佳乃子氏、パイプドHD 広報部長の久保陽子氏にお話を伺った。

2010年からストレスチェックを実施

――まずは、御社について教えてください。

岸氏: パイプドビッツは「情報資産の銀行」として、お客さまの大切なデータを安全にお預かりするとともに、その情報を資産として活用するための提案や、課題解決のソリューションを提供しています。ストレスチェックもその一つで、2010年からメンタルヘルス支援サービスを展開していました。

――法律で義務化される6年前からサービスを始められていたんですね。当時はどういった経緯でスタートしたのでしょうか?

岸氏: 当時も職場のメンタルヘルス不調は社会的に問題視されており、その課題を解決したいという思いからサービスを始めました。「職業性ストレス簡易調査票」の57項目のアンケートを元に仕組み化しました。症状が顕在化する前に状況を把握し、適切にケアするために、リリースと同時に自社でも導入しました。

――どのように運用されているのでしょうか?

岸氏: 月初になると人事からメールが届き、そこから専用ページにアクセスしてオンラインセルフチェックに答えるという流れです。当初は、上位の高ストレス者や予備軍と思われる従業員に対して、いったん人事が面談して状況を聞き、その結果を役員会に報告していました。法改正後には産業医の面談など改正法に対応し、今でも毎月全従業員へのストレスチェックを継続しています。

「こころの健診センター」の社員向けストレスプロフィール画面イメージ

――今回の法改正では年1回以上の実施が義務付けられていますが、なぜ毎月実施しようと思われたのでしょうか?

小野氏: 身体に比べて心の変わりようは早いので、1カ月で状況は変わってしまいます。仕事の内容も日々変わりますから、当社では最初から毎月実施しています。