IKEA Tokyo-Bayではこのほど、子育て関係の団体などが活動内容を紹介するイベント「笑顔で働きたいママのフェスタ」が開催された。会場では、整理収納アドバイザーなどの資格を保有し「収納王子コジマジック」として活躍しているお笑い芸人・小島弘章さんが講演。子どもと一緒に片付け上手になる秘訣について語った。

収納王子コジマジックこと小島弘章さん

片付けを教わる機会がないことの不思議

「親が苦手だったから」というように、自分が片付けできない理由として「遺伝」をあげる人がいますが、それは違います。さらに、O型でおおざっぱな性格だからできないとか、A型で几帳面だからできるとか、そういう問題でもありません。

片付けに一番関係するのは何かというと「環境」です。小さい子どもがいたときに、子どもに片づけを教えるのは誰でしょうか。お父さん、お母さんですよね。親が子ども目線に立って片付けを教える、遊び感覚で伝えていってあげると子どもは片づけが好きになります。これを私は「収育」と呼んでいます。僕が立ち上げた日本収納検定協会で進めています。

収納と「育児・教育・育成」を組み合わせた言葉「収育」について語る小島さん

便利な世の中になって物がどんどん増えている割に少子化は進んでいるので、1人あたりが手にする物の量というのはものすごく増えています。一方で、片付けを学校などで教わる機会はありません。お父さんお母さんが片づけを学んで、片づけができる環境を整えてあげることが大切です。

使っていないものをしまうから片づけができない

それではどうしたらいいのかと言えば、これを覚えてもらったら必ず片付け上手になれるという方法があります。それは、「出す」「分ける」「しまう」の順番を守ることです。片づけが苦手な人は、引き出しやクロゼットから必要ないものを間引いてしまいがちです。しかし「間引く」ではダメです。私が言っているのは「出す」ということ。引き出しだったら引き出しの中身を全部出すことが大切。そうしないと、一生片付きません。

次に全部を出したら「分ける」の作業に移ります。ここで重要なのは、「捨てる」「捨てない」の基準で分けないこと。片づけが苦手な人は捨てるのが苦手だからです。あなたが今「使っているか」「使っていないか」で分けてください。使っているかいないかのラインは1年間。四季を通して1年使っていないものは来年もほとんど使わないでしょう。

そして「しまう」のは、「使っているもの」だけにしてください。使っていないけれど捨てたくないものをしまい、自分の使う物は周りに出しているから片づけができないのです。では、使っていないものはどうするのか。ダンボール箱に入れて玄関に置いてください。決してロフトの上にあげたり、押し入れの天袋にしまったりしてはいけません。

玄関に使わない物が入ったダンボール箱があるのは嫌ですよね。しかも、毎日見ていたら「これは邪魔だな」と思うはずです。でも捨てたくないとなると、人間は納得のいく方法を考えるようになります。誰かが来たときに譲ったり、売ってみたりと納得して手放せる方法がみつかるでしょう。

出すときは全部出す、分けるときは使っているもの、使っていないもので分ける。最後に使っていないものは目立つところに出して、使っているものを使いやすくしまうというのがポイントです。

「もっと片づけをしたい」という気持ちにさせるには

とはいえ、片づけが苦手な人が急に全ての収納に手を出すのは無理なので、よく使うところから始めてみてください。片付けの効果がすぐに実感できるからです。キッチンや化粧台の引き出し、おもちゃ箱など、1個からで大丈夫。引き出し1個から変わる人生は本当にあります。

今日帰ったら5分でいいので、寝る前に子どもと一緒にやってみましょう。そして、上手に片付けできたらほめてあげてください。そうすると子どもは、「もっと片づけをしたい」という気持ちになります。親から「片付けなさい」と怒られれば子どもは片づけが嫌いになります。遊びの中で楽しませながら片付けの仕方を覚えれば、きっと好きになるはずです。