ご当地グルメの代表格とも言うべき名古屋メシ。みそカツやきしめんなど古くから地域で親しまれてきたメニューがずらりと居並ぶ。そんな中で新顔が割って入るのは容易ではないが、ここ数年じわじわと市民権を獲得しつつあるのが「カレー煮込みうどん」だ。今回はこの新名物を提供しているうどん店の中でも、オススメの3店をご紹介しよう。

実力派うどん店がそれぞれ工夫を凝らしてメニュー開発

「カレー煮込みうどん」は、名古屋メシの王道であるみそ煮込みうどんのカレーバージョン。もともと名古屋市内ではみそ煮込みうどんのアレンジ版として出している店もあったが、認知度は低かった。そこで、新たな名古屋名物にしようと地域のうどん店主らが2011年に「尾張カレー煮込みドットコム」を発足。「煮込みうどん専用の麺(一般のうどんとは違い塩を使わずに打つ)を使うこと」を条件におよそ30店舗がメニューづくりに取り組み、売り出した。各店舗が独自に工夫を凝らしているので、それぞれ異なった味を楽しめるのも魅力だ。

カレーと麺の一体感が魅力の「角丸」

「カレー煮込みうどん」(850円)。ぐつぐつ煮立った状態で出てくるアツアツ感が食欲をそそる!

「角丸」は大正15年創業の老舗うどん店。「10年後20年後に、名古屋メシのひとつとして誰もが認めてくれる存在にしたい。本当においしいものを出して、時間をかけて広めていければと思っています」と語るのは、3代目の日比野宏紀さん。「尾張・名古屋カレー煮込みドットコム」を立ち上げた中心的存在で、カレー煮込みうどんに対しての思い入れも強い。

名古屋テレビ塔から歩いて10分ほど

使用する麺はうどんとそうめんの中間くらいの細さで、「みそ煮込みの麺=太くて固い」というイメージをくつがえしてくれる。するするのどを通って食べやすく、それでいてかみごたえもある。つゆはみそ煮込みうどんと同じかつおベースのだしを使い、和風だしの風味とカレーのスパイシーさが両立している。食べ進むごとにカレーと麺の一体感が増してきて、どんどんおいしくなってくる。秘密は隠し味のみそにあり、ほんのわずかなので味にほとんど影響はないが、麺とつゆのなじみがよくなるのだと言う。

「みそ煮込みが不動の一番人気ですが、カレー煮込みは今やそれに次ぐ存在」(日比野さん)とか。きしめんや丼物などがひと通りそろう麺類食堂らしいラインナップの中で、堂々の2番手につけているとは。常連が多い老舗だけに、支持率の急上昇は文句なしのおいしさの証しと言える。

●information
みそ煮込みの角丸
名古屋市東区泉1-18-33
営業時間: 11時~19時30分(土曜は14時まで)
定休日: 日・祝日