株式投資を始める前に知っておきたいこと

初心者でも始めやすい株式投資の商品は?

株の売買を行うには、まず証券会社の口座開設が必要になります。証券会社には、大きく分けて総合証券とネット証券の2種類がありますが、気軽に取引ができるネット証券がおすすめです。会社によってメリットや特徴のほか、取扱商品や手数料なども異なりますので、各社を比較してみましょう。複数の口座を開いてみて、自分のスタイルに合うものを選択するのも1つの手です。

口座を開設したらいよいよ取引ですが、「いきなり大きなお金で投資をするのは怖い……」という方も多いことでしょう。そこでおすすめなのが、「ミニ株」「S株」などと呼ばれる「単元未満株取引サービス」の利用です。通常、株式を売買するためには、銘柄ごとに決められた単元株数を満たしている必要があります。単元株とは、株取引をする際に必要な最低購入単位数。例えば、株価が1,500円で単元株100株の銘柄の場合、1,500円×100＝15万円となり、最低でも15万円を用意しなければなりません。

一方、「ミニ株」などの単元未満株は、通常の単元株の10分の1から取引ができます。つまり、一般の取引では最低15万円が必要な銘柄でも、1万5,000円から売買が可能という訳です。証券会社によっては、1株から購入可能なサービスを行っているところもあるので、初心者にもおすすめです。ただし、単元未満株には通常の取引に比べて様々な制限があることや、全ての銘柄で購入可能ではない点には、注意が必要です。

その他、ネット証券ごとに、無料のオンラインセミナーや勉強会の開催、ツールの提供など様々なサービスが行われているので、あらかじめチェックしておくといいでしょう。また、取引額が小さいうちは、年間の利用枠が100万円の「NISA(少額投資非課税制度)口座」を開設して運用することもおすすめです。

初心者向けの商品は?

最後に、株初心者に向いてる商品について解説しましょう。実は、どの人にも共通しておすすめできる商品というのはありません。まずは、自分が興味のある会社や業界、あるいは、自分が愛用している製品を提供する会社の株を買ってみることが1番です。

株取引を行うと、株を購入した企業の業績や将来性などを常に気にすることになります。このほか、新たに発売される商品・サービスや、どのような社長が経営を行っているかなど、様々なことに目が向くことでしょう。元々なじみのある会社や業界であれば、情報収集も親しみやすく、株取引の面白さにつながるかもしれません。 これから株取引を始めてみようと思っている人は、まずは自分に合うネット証券を見つけ、なじみのある会社や業界の銘柄を少額ずつでもコツコツと運用してみましょう。

筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。