適切なダイエットで肥満の予防を!

前回は、肥満が生活習慣病のほか、月経不順や不妊症のリスクを高めることをお話ししました。では現在、肥満まではいかなくても体形を気にしている方には、どんなダイエットが適切なのでしょうか。

今回は、リバウンドリスクが少なく、安全にやせる方法をお伝えします。

日常でできることをやる

「やせよう! 」と決めたら即「何も食べない! 」と断食を決行したくなる気持ちはよくわかるのですが、1日2日何も食べないと3日目には反動で大食してしまいます。また、定期的にブームになる単品ダイエットは効果はあるものの、栄養が偏るのでお勧めしていません。基本は、ミネラルとタンパク質の栄養バランスを保ちながら、摂取カロリーを下げて使用カロリーを上げること。週1ポンド(約453g)、5カ月で約9キロの減量が理想的です。

我慢のダイエットは続きません。もともと飢餓の時代を生きのびた私たちの脳や体は、食べ物を食べてカロリーを蓄えるようにできています。体が我慢しているのを自覚すると、代謝を落としてカロリーを消費しないようになりますし、脳が我慢を自覚すると、反動でもっと食べたくなります。

体が我慢を自覚しないのは、週250g程度の減量。つまり、月1kg程度の減量ならリバウンドは起きません。また、脳が我慢を自覚しないのは1日100~200kcalの減量です。脂肪は1g=約8kcal。1年に換算すると、100kcal×365÷8=4,562gの体重の変化が予測できます。

1日100kcal増えても食べ過ぎた感はありませんが、毎日クッキー1枚(約100kcal)のおやつが習慣になると、1年後に約4.5kg増えています。反対に1日100kcal減らせれば、自然に1年後には約4.5kg減っているということです。

1日100kcalをどう減らす?

無意識に100kcalを減らすために、次のことを心がけてみましょう。

■腹八分目
まず、炭水化物を食べたいと思う量の80%にする。心理学によるとごはんの量を20%減らしても脳は減量と気づきません。そして、見た目の総量を同じにするために、野菜の量を20%増やします。

■総量を見てから食べる
懐石料理やバイキングのように次々に出てくるものは、総量がわからないので食べ過ぎてしまいます。1回の食事は全部並べてから食べるようにしましょう。

■食器のサイズをかえる
大皿は自然と食べ過ぎてしまうので、普通皿にかえましょう。大皿に盛るのは野菜だけにします。

■お菓子を家に置かない
カロリーの高いお菓子などは家に置かないか、置いても手の届きにくい場所(棚の高いところなど)にしまう習慣を。間食をするときも、あとで洗う手間をつけるために必ずお皿に盛りましょう。

■"皿半分ルール"を守る
皿半分ルールといって、1回の食事の半分を野菜・果物、残りの半分をタンパク質と炭水化物にします。

そしてもう1つ、ダイエットを成功させるポイントがあります。