多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『1万円台のSIMフリースマホ、選ぶときの注意点は?』という質問に答えます。

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数年前に比べると、SIMフリーのスマートフォンが入手しやすくなりました。しかも低価格化が進み、オンラインストアから購入すると1万円台という製品も少なくありません。すぐにモノを壊す子ども用に最初の1台として、細かいことは気にしないコスパ重視の買い替え機として、格好の選択肢ではないでしょうか。

まず、SIMフリー端末を選ぶ点からして、MVNOのSIMカード(いわゆる「格安SIM」)で運用する前提があるかと思います。そうすると、多くの場合MVNOの上流に位置するキャリアはドコモということになりますから、ドコモの周波数に対応した端末を選ばないと繋がりにくくなります。

ドコモが扱うLTE/4G対応端末は、LTE Band 1(2GHzまたは2.1GHz帯)とBand 3(1.7GHzまたは1.8GHz帯)、Band 19(800MHz帯)とBand 21(1.5GHz帯)の4つに必ず対応しています。だからドコモの回線が持つ能力をフルに活用できるのですが、安価なSIMフリー端末のなかには対応しない周波数帯が含まれるものも存在します。なかでもLTE Band 19に対応しているかどうかは、重要な意味を持ちます。

LTE Band 19は広範囲に届き障害物に強い「プラチナバンド」で、郊外や山間部での繋がりやすさに大きく影響する周波数帯です。通信速度はそれほどではないものの、対応の有無で通信エリアは大きく変わります。

さらに端末がVoLTE非対応の場合、電話には3G回線(FOMAプラス、W-CDMAのBand 6とBand 19)が利用されます。W-CDMAのBand 19はXi 800MHz帯(LTE Band 19)のエリア拡大に伴いサービスエリアが大幅に減少したため、W-CDMAのBand 6に対応しない端末を選んでしまうと、電話が繋がりにくくなる可能性があります。ある意味、CPUやカメラの性能より重要な部分ですから、購入前に必ずチェックしましょう。

SIMフリー端末を選ぶときは、対応する周波数帯のチェックが不可欠です(写真はイメージです)