4月29・30日に幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2016」の超アニメエリアにて、『アイドルマスター』、『アイドルマスター シンデレラガールズ』、『アイドルマスター ミリオンライブ!』、『アイドルマスター SideM』のステージイベント「超アイドルマスターJAPAN」が行われ、総勢20名のキャストが登壇した。今回はそれぞれのタイトル内に加え、さらにタイトルの垣根も超えた“アイマスチーム”としての「繋がり」が垣間見えた全7ステージの模様を紹介する。

「超アイドルマスターJAPAN」スタート前のステージ

「THREE STARS!!!」の3人が語る『アイドルマスター』10周年ライブの思い出

「超アイドルマスターJAPAN」では、タイトルごと・複数タイトル合同のステージが2日間で合計7つ行われた。まず、最初に行われたのは、『アイドルマスター』、『シンデレラガールズ』、『ミリオンライブ!』の3タイトル合同ユニット・THREE STARS!!!による「THREE STARS!!!ステージ~描いてみた~」ステージ。『アイドルマスター』双海亜美・双海真美役の下田麻美、『シンデレラガールズ』城ヶ崎莉嘉役の山本希望、『ミリオンライブ!』伊吹翼役のMachicoが登壇した。

本ステージ一つ目に行われたのは、ニコニコ静画にて、2016年3月24日~4月24日まで募集していた「アイドルマスター超イラストコンテスト」の優秀作品の発表を行う「イラストを選んでみた」のコーナー。各タイトルごとの賞やバンナム賞、ドワンゴ賞が紹介されるなか、登壇者3人が選ぶ「THREE STARS!!!」賞には、アーケード版のグラフィックタッチで、登壇者3人が演じる亜美、莉嘉、翼を描いた作品が選ばれた。

二つ目に行われたのは、2015年7月18・19日に西武ドームで行われた『アイドルマスター』10周年記念ライブ「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015」の思い出を3人がそれぞれ絵で描く「イラスト描いてみた」のコーナー。誰が一番同ライブのBlu-rayを購入したくなるイラストだったかをニコニコ動画のアンケートを使って決めた。

アンケートで最も票を集めたのは、『シンデレラガールズ』で城ヶ崎美嘉役を務める佳村はるかに、リハーサルの合間に、セミを拾って見せびらかしたという山本のイラスト。『シンデレラガールズ』で姉妹役としても共演し、普段からも佳村のことを「お姉ちゃん」と呼ぶ山本のイラストは、共演声優による絆、プライベートでも親交があるという話がしばしば出る『アイドルマスター』ならではのエピソードを描いたものだったように思えた。

「超音楽祭」に出演する同じプロダクション所属のアイドルを応援

THREE STARS!!!のステージに続いては、『SideM』のステージイベント「SideMライブビューイングステージ~応援してみた~」が行われ、同作品内に登場するユニット「Beit」の渡辺みのり役・高塚智人、「High×Joker」の冬美旬役・永塚拓馬、 「彩」の華村翔真役・バレッタ裕が登場した。

本イベントは、同時刻に別会場で開催されていた「ニコニコ超音楽祭」に出演する『SideM』のユニット「DRAMATIC STARS」(天道輝役の仲村宗悟、桜庭薫役の内田雄馬、柏木翼役の八代拓)、「S.E.M」(硲道夫役の伊東健人、舞田類役の榎木淳弥、山下次郎役の中島ヨシキ)のステージを、登壇者3人とプロデューサー(観客)が応援するというもの。同作品で、「超音楽祭」に出演した2ユニットと同じく「315プロダクション」に所属するステージ上の3人とプロデューサーが、仲間の活躍をペンライトを振りながら応援した。

「超音楽祭」の『SideM』ステージも進んでいき、いよいよラスト1曲となる。締めとなったのは、同作のテーマ曲「DRIVE A LIVE」。その時、「超アイドルマスターJAPAN」で応援をしていた永塚が突然、「僕たちも歌っていいですか?」とつぶやくと、会場からも期待を込めた声援が送られ、高塚、永塚、バレッタの3人が中継の映像とあわせて、「DRIVE A LIVE」を披露することに。高塚とバレッタの慌てた様子から、当初予定されていなかったようだったが、同じ事務所に所属するアイドル、そして、これからも歌い続けるであろうテーマ曲を一緒に歌ったことは、「超アイドルマスターJAPAN」に来場した人へのサービスというだけでなく、「315プロダクション」に所属するアイドルたちの繋がりをうかがえるシーンでもあった。

「アイドルマスター」の歴史を紡いできた長谷川、若林、仁後が約2年ぶりに登場

3ステージ目は、2016年7月28日に発売予定のゲーム『アイドルマスター プラチナスターズ』を紹介するステージ「プラチナスターズステージ~紹介してみた」が行われ、「THREE STARS!!!ステージ~描いてみた~」にも登場した下田と、星井美希役の長谷川明子、高槻やよい役の仁後真耶子、秋月律子役の若林直美が登壇した。

ステージは、『アイドルマスター』の舞台登場は2年ぶりとなる長谷川、仁後、2年半ぶりとなる若林を迎える「おかえり」コールで幕をあける。下田の音頭で会場・ニコ生の来場者全員が「おかえり」とコールすると、3人は各々に「ただいま」と応える。その直後に行ったそれぞれのキャラクターとしてのあいさつで、若林が言った「これから」「またよろしくお願いします」という言葉には、「アイドルマスターの舞台に戻ってきた」といった、万感の思いが込められていたかのようにも感じた。

あいさつの後は、久しぶりの登場となった3人の近況を報告する「近況報告してみた」が行われた。仁後が約8カ月ぶりにダンスレッスンに行き、軽いジャンプをした時に「重力はこんなに重かったんだ」と実感したというエピソードを披露し、続く長谷川は、4月30日に開催の「MONACAフェス2016」の練習をしていることを報告。

その後、下田が先日ハワイへ行き、5月には長谷川とカナダへ行くため英語を勉強中という近況を話すと、若林がすかさず「英語を聞きたい」と発言。まだ4回しか通っていないと、披露するのをためらっていた下田だったが、スラスラと自己紹介をし、会場からも歓声が上がっていた。そして、今度は下田が若林に「何かやってよ」と自他ともに認める雑なフリをすると、若林演じる律子の代表曲でもある「いっぱいいっぱい」をワンフレーズだけやろうかと提案。スタッフからのOKも出て、サビ前から歌い始めると、会場に駆け付けたプロデューサーは「待ってました」と言わんばかりにコール(応援)を会場中に響かせた。

興奮冷めやらぬ中、続いては「プラチナスターズ紹介してみた」のコーナーが行われた。ここで、アイドルマスター総合プロデューサーの坂上陽三氏、『プラチナスターズ』の久夛良木勇人プロデューサーが登場し、『プラチナスターズ』のゲーム概要を紹介した。そして、ひと通り紹介した後には、下田がゲームのメインとも呼べる、ライブを体験プレイ。今回の体験では、仁後が演じるやよいの楽曲「キラメキラリ」をプレイし、先ほど「いっぱいいっぱい」で盛り上がったばかりの会場が再びヒートアップ。ゲームも非常になめらかな動きで、かつキャラクターごとにサイリウムの色が変わるなどのこだわりが細部まで見えた。

その後も、5月、6月、7月とPS4所有者向けにオリジナルテーマ(壁紙やシステムアイコンなどのセット)が無料配信されることなどが発表されたり、新CDシリーズ『THE IDOLM@STER PLATINUM M@STER』の発売が発表されたりと内容盛りだくさん、終始熱気に包まれたステージとなった。

『アイドルマスター プラチナスターズ』パッケージ

PS4所有者向けオリジナルテーマのサンプル

6月7日よりローソンとタイアップキャンペーンを実施することも発表された

これからも紡がれていく絆

29日のステージ最後を飾ったのは『SideM』のゲーム紹介を行う「SideMステージ~絆をたしかめてみた~」。「SideMライブビューイングステージ~応援してみた~」の登壇者である高塚、永塚、バレッタに、「超音楽祭」出演者の仲村、内田、八代を加えた計6人がステージに登壇した。

まず最初に行われたのは、先ほど終えたばかりの「超音楽祭」について振り返る「超音楽祭振り返ってみた」のコーナー。仲村、内田、八代は自分たちの話はそこそこに、中島が緊張していながらもステージに立つとスイッチが入ったこと、榎木が前日に曲の復習に余念がなかったこと、伊東と一緒に風呂に入ったエピソードなど、同じく「超音楽祭」に出演しながらも本ステージには立っていない「S.E.M」についての感想や思い出を話し、同じ舞台に立っていた仲間に対して、敬意を表しているかのようにも感じた。また、「DRAMATIC STARS」、「S.E.M」の舞台を初めて見たというバレッタは、率直に「かっこよかった」とコメントし、アイドルとして舞台に立ち、輝く先輩たちに対して尊敬の念を表していた。

続いて行われたのは「街角スカウトしてみた」のコーナー。本コーナーは、『SideM』のゲーム内でアイドルをスカウトする(アイドルのカードを手に入れる)手段のひとつ「街角スカウト」を登壇者のうち1人がスカウトされる側(アイドル)、2人がスカウトする側となり実践し、スカウトされる側が、どちらのスカウトを選ぶのかをニコ生のアンケートを使い予想するというもの。2回行われ、まずはアイドル側として輝役の仲村が、スカウトする側として内田とバレッタが実践した。内田は「力が欲しいか」と、中二病な言葉でスカウトし、対するバレッタは、「助けてください」「うちの事務所、所属している人が少なくてあなたが必要なんです」と困った人に扮してスカウトする。結果、ニコ生のアンケートでは内田に票が集まるも、仲村が選んだのはバレッタのスカウト。その理由としては「(正義感が強い)輝の心をくすぐっている」と答え、他の登壇者・会場から「確かに」という声があがった。

2回目は、アイドル側をみのり役の高塚、スカウトする側を八代と永塚が担当。八代は「きゃわいいねー」を連呼する、軟派なキャラクターでスカウトし、対する永塚は、元々は花屋の店長で、さらにアイドルオタクというみのりの個性から「(アイドルを応援・見ることで)あなたに届いた花の種、ステージという上でサイリウムという花に変えてみませんか?」と見事な言葉でスカウトをした。結果は、ニコニコ動画のアンケート・高塚が選んだのも永塚のスカウトで、本コーナー有終の美を飾った。

「街角スカウトしてみた」の後には、「プロデューサーさんのスカウトを見てみた」のコーナーが行われた。本コーナーは、会場にいるプロデューサーたちなら、輝とみのりをスカウトするにはどうするかを、「超アイドルマスターJAPAN」ブース入口付近に設置された輝とみのりのパネルに書いてもらう(ポストイットに書いたものを張り付けてもらう)というもので、ステージでは数ある優秀な回答のなかから、キャスト陣が選んだものが発表された。回答には、「一番星になって一緒に輝こうぜ」や「新しいステージで君という花を咲かせてみないか?」といった、輝とみのりそれぞれの個性を見事に捉えたものなどがあり、プロデューサーの『SideM』に対する想いを感じられるコーナーとなった。

そして、ステージの最後には、『SideM』2周年を記念し発売する、ユニットを越えたシングルCDシリーズについて、ユニットの組み合わせと発売日の発表が行われた。シリーズ第1弾は「DRAMATIC STARS」と「High×Joker」の組み合わせで7月13日発売、第2弾は「Beit」と「S.E.M」の組み合わせで8月31日発売、第3弾は「Jupiter」と「W」で10月5日に発売となる。

コーナー・新発表もすべて終わり、ステージを降りるとき、ふと仲村が「奥のほうまで見えているからね」という言葉を放ち、懸命にプロデューサーに手を振っていた。『アイドルマスター』では、天海春香役の中村繪里子が「後ろの席まで見えているからね」とライブでは恒例とも呼べるあいさつをするほか、『ミリオンライブ!』の楽曲「Thank You!」には「後ろまでもちゃんと見えているからね」という歌詞がある。仲村自身、意識していたわけではなかったかもしれないが、意図的にしろ、自然にしろ、同じような意味合いの言葉が出てきたことに、『アイドルマスター』というコンテンツが脈々と繋がってきている、と感じさせられたシーンだった。