4Kディスプレイ、最適な製品を選びたい

PC周りでホットな製品のひとつに「4Kディスプレイ」がある。現在、40型前後の製品でも、安いものなら10万以下で購入可能だ。かつて、Windowsマシンで4K表示するにはグラフィックスカードを追加する必要があったが、今では多くのCPU内蔵グラフィックスが4K出力に対応している。また、USB 3.0接続の4K出力対応グラフィックスアダプタもある。このように、ハイエンドPCでなくても4K表示は手が届くのだ。

4Kディスプレイのメリットは、まず何といっても作業領域(表示領域)が広いこと。現在のデスクトップモニタはフルHD(1,920×1,080ドット)解像度の製品が主流だが、4K解像度はフルHDの縦横を2倍、つまり全体で4倍の広さを持つ。ビジネス用途なら大きなExcelシートを開きつつ、Webサイトを横目で見ながらWordで文書を作成するような使い方ができる。デジタルカメラの画像も大きく表示できるため、レタッチするにも、表示領域は広いほうが絶対に快適だ。

写真上がフルHD(1,920×1,080ドット)、写真下が4K(3,840×2,160ドット)だ。両者をだいたい同じ縮小率で小さくした。フルHDでも十分に広いのだが、その縦横を2倍にした4Kの広大さがわかる

フルHDと4Kの重ね合わせ

4K解像度は2種類ある

4Kには、2種類の解像度がある。「4K UHDTV」という3,840×2,160ドットと、「DCI 4K」という4,096×2,160ドットだ。前者が「テレビの4K」、後者が「デジタルシネマの4K」と思えばよいだろう。

3,840×2,160ドットは、ハイビジョン放送の1,920×1,080ドット(フルHD)を縦横とも2倍にした解像度。国連の専門機関(International Telecommunication Union:国際電気通信連合)で定められた規格だ。「2160p/UHDTV」と呼ばれ、画面のアスペクト比は16:9となる。PC向けの4Kディスプレイとしては、現在はこちらが主流だ。以降、単純に「4K」と表記した場合は、3,840×2,160ドットを指すことにする。

4,096×2,160ドットは横方向の解像度が高く、デジタル的には「2の12乗」(4096)とキリのよい数字だ。アメリカの大手映画制作会社が加盟する団体(Digital Cinema Initiatives)が定めたシネマ用の解像度で、「DCI 4K」という。こちらはアスペクト比が約17:9となっている。

30pと60pって?

30pと60pは、ディスプレイのリフレッシュレートと画面描画の方式を指す。液晶ディスプレイでは60pが一般的で、1秒間に60回、画面を書き換えている。30pなら1秒間に30回の画面書き換えだ。30pや60pの「p」は、画面の上から下まで順番に表示(走査)するプログレッシブスキャンの「p」を表す。リフレッシュレートの単位は「Hz」だが、スキャン方式も合わせて記述するのが30pや60pだ。

当然、30pより60pのほうが滑らかな表示ではあるものの、4K解像度はデータ量が膨大なので、4K表示は30pまでというPC環境も多い。ディスプレイ側が60pに対応していても、PC側が4K/60p出力に対応していなければ、60p表示はできない。

30pと60pの差が出るのは、動画やゲームといった動きが激しい表示である。ビジネスアプリや静止画がメイン用途なら、30pでも気にならないだろう。ただし、見る人によっては、カーソルの動きにカクカク感を覚えたりすることもある。これから4Kディスプレイを導入するなら、なるべく60p表示に対応した製品を選ぶとよい。60p表示については少々ややこしい点があるので、PC側の4K出力対応を含めて後ほど詳しく触れる。