仮面ライダーシリーズの第4作『仮面ライダーアマゾン』が、2016年10月5日にBlu-ray BOXとなって発売される。これを記念して5月9日に東京都内で会見が行われ、主演のアマゾン/山本大介役・岡崎徹と、アマゾンと心を通わせる少年まさひこ役・松田洋治が当時を振り返ってコメントを寄せた。

左から、松田洋治、岡崎徹

1974年10月から翌1975年3月まで全24話を放映した『仮面ライダーアマゾン』は、『仮面ライダー』(1971~1973年)、『仮面ライダーV3』(1973~1974年)、『仮面ライダーX』(1974年)に続くシリーズ第4作で、1号、2号、V3、ライダーマン、Xのあとを受け継いだ6人目の仮面ライダーである。それまでのライダーがみなバッタなどの昆虫をモチーフにしていたのに対し、アマゾンはオオトカゲがモチーフ。従来のヒーローのようにスマートではない、荒々しい野性的な戦い方をするのが大きな特徴となっている。

南米アマゾンの奥地で育った日本人青年・山本大介は、古代インカの超エネルギーをもたらす鍵となる「ギギの腕輪」をゲドンの十面鬼から守るべく、長老バゴーの秘術によってオオトカゲの能力を持つ改造人間に変えられた。日本にやってきたアマゾン/大介は、自分がなぜゲドンに狙われるのかわからないまま、命を懸けた戦いへと身を投じていく。

全24話が収録された4枚組のBlu-ray BOXには、岡崎と松田それぞれの単独インタビューと、両者の対談が映像特典として収録されている。会見では、本放送以来41年ぶりに、メディアにおいて2人が並んだ姿を見ることができた。

「ターザン」さながらに上半身裸というワイルドな出で立ちで野生児アマゾンを熱演した岡崎は、「野生の男という役柄はぜひ演じてみたかった」と当時の気持ちを話し、「あのころはブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』が大ヒットしていましたから、上半身裸の役でも平気でした。むしろ、戦いで体中に傷を受けたりして、現場スタッフさんもアクションの演出をノッてやっていましたね」と、41年前を懐かしそうに振り返った。

アマゾンの親友であるまさひこを演じた松田の印象について岡崎は、「松田君は当時から天才子役と呼ばれていて、芝居では本当に助けられました」と大絶賛。「作品の中でアマゾンがまさひこに向ける優しい笑顔は演技でもなんでもなく、僕が本当に子ども好きで、特にまさひこがとってもかわいかったんですよ」と、当時と変わらぬ優しい笑顔でしみじみと語った。

『アマゾン』Blu-rayの見どころについては、自身のアクション・スタントシーンを挙げ、「第7話では遊園地でジェットコースターのレールに登り、向こうから迫ってくるコースターを紙一重で避けるというシーンがあるんです。すごく寒い日で足がガタガタ震えるし、コースターにぶつかれば命がない。また、スタントマンではなく自分でビルからビルへの綱渡りをやったこともあります。本当は高いところが苦手なのですが、『映画はスタッフみんなで作り上げる総合芸術だ』という意識が強かったから、それで自ら危険なこともいろいろできたんだと思います」と、アマゾン役にかけた情熱を回想していた。

放送当時は小学校低学年であり、その愛らしいたたずまいと天才的な演技力で名子役と讃えられた松田だが、なにぶん幼少時の出来事ゆえ当時のことについてはほとんど記憶がないと話していた。しかし、岡崎と久しぶりに話すうち、だんだんと昔のことも思い出すようになってきたようで、会見では「子どもながらに出演者として芝居をする自分と、仮面ライダーが好きな視聴者としての自分の二つが行ったり来たりしていました」と当時の心境を振り返っていた。また「ゲドンやガランダーの獣人役など、アクションを担当されている大野剣友会の方たちがすごく優しく接してくださって、いつも撮影に行くのが楽しかった」とも話し、懐かしそうに笑顔を見せた。

高画質のBlu-rayで『アマゾン』が甦ることについては「画像が鮮明になるということは(獣人などの)作り物の粗までも見えてしまいかねないので、正直怖い」と明かしつつ、「反面、造型の手作り感をあえて鮮明な画質で楽しみたい」と、映像面での見どころをアピール。さらに「『アマゾン』は原作者の石ノ森章太郎先生もお気に入りのライダーだとうかがっています。現代社会の問題点をえぐるストーリーなどもあり、今見返しても"深い"作品。あらためてBlu-rayでそういった部分を考えつつ見てもらえれば」と、ストーリー面でも十分な見応えある作品だということを強調した。

最後に岡崎がファンに向け、「『仮面ライダーアマゾン』には、人間が生きていく上で大切なことを教えてくれるような作品。ファンの皆さんにはBlu-rayをご覧になって、アマゾンをいつまでも愛していただきたい」と語り、会見を締めくくった。

(C)石森プロ・東映