説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『1台のiPhoneで仕事用と個人用の電話番号を持てますか?』という質問に答えます。

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仕事用と個人用で異なる電話番号が必要な場合、1台のiPhoneに2つの電話番号を持たせることは可能です。2つどころか、それ以上の数の電話番号を使い分けることもできます。ただし、iPhoneにはSIMカードスロットが1基しかないため、通信キャリアから割り当てられた番号は1つしか使えず、それ以上はIP電話サービスの利用となります。

具体的には、通信キャリアから割り当てられた番号は『電話』アプリで、IP電話サービスの番号はその専用アプリで受発信する、ということになります。090や080から始まる番号は『電話』アプリで使い、050から始まる番号はIP電話サービス専用アプリで使う、と考えても差し支えないでしょう。

ひと口にIP電話サービスといっても料金体系やサービス内容はさまざまで、月額基本料金が無償か有償か、固定電話/携帯電話宛ての発信が30秒あたり○○円か、などと差があります。楽天電話のように、携帯電話(090、080から始まる番号)を相手に通知しつつ自社の割安な回線で発信する、というサービスも存在します。現在では、着信があるとプッシュ通知を行い通話画面につなぐ方式のアプリも登場するなど、かつてほどバッテリー消費を気にする必要がなくなっています。

なお、1台に2基のSIMカードスロットを備える「デュアルSIM」に対応したAndroid端末があれば、090や080から始まる2つの番号を1台のスマートフォンで運用できそうなものですが、話はそう単純ではありません。2つのSIMを同時に待受/通信状態にできる「デュアルアクティブ」に対応した端末が、国内では見当たらないためです。2016年5月現在販売されているデュアルSIM端末は、設定画面で利用するSIMを切り替える必要があるなど、2つの番号の着信を待受状態にする使い方は困難です。こと電話の受発信に関するかぎり、iPhoneと大きな差はありません。

iPhoneで電話番号を複数持ちする場合、キャリアの通話サービス(電話アプリ)とIP電話サービス(専用アプリ)を併用することになります