4月29日・30日、東京・中野サンプラザで春のヘッドフォン祭 2016が開催。6階のULTRASONE/CHORDブースでは、世界で777台のヘッドホン「Tribute 7」の試聴を待つ人々が列を作っていた。

Tribute 7

Edition 7の姿も

Tribute 7は、2004年に世界で999台発売されたハイエンドヘッドホン「Edition 7」の復刻モデル。今回が世界初公開となる。現在のニーズに合わせて再設計されており、40mm径のチタンドライバーやアルミニウムブロックから削り出したイヤーカップを採用。ケーブルは着脱式となっている。

当初は発売日を5月14日としていたが、製造上の問題で延期になることがアナウンスされた。発売時期は現時点で未定だという。続報を待ちたい。

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ボックスはチェリーウッド製。3mと1.2mのケーブル、6.3mmの変換プラグ、キャリングケースなどを同梱する

Edition 7のサウンドを忠実に再現していることの証明として、Edition7の周波数特性と比較した資料も付属

会場には4台の試聴機があり、筆者は約10分待ってようやくヘッドホンを手にした。装着感は少しずっしりめで、側圧も強く感じたが、「これが伝説の重みか」と思えたので良いことにする。

全体的なバランスや、からっとしたさわやかな音色が魅力的なヘッドホン、という印象だ。高音はささらず、低域はいやらしくなく、しっとりとしたバラードも音数の多いポップスもそつなくこなせる。また、クールな見た目に反して、女性ボーカルをやわらかく繊細に表現できるところに魅力を感じた。声のぬくもりやかすれ声の表現に、独特のゆるさがあるように思う。音場があまり広くないところが気になったが、オールマイティさや意外と癒し系なサウンドにハマっているうちに、時間がどんどん過ぎていった。いろいろな曲で試したくなること請け合いの、スキがないヘッドホンだ。

「ミスウルトラゾーン」(ULTRASONEのイメージキャラクター)として活動中の延時成実さん

ヘッドフォン祭は、フジヤエービックが主催するポータブルオーディオのイベント。