楽天証券は4月23日、第1回となる「楽天証券ファンドアワード2015」を発表。表彰式を行った。

「楽天証券ファンドアワード2015」表彰式

楽天証券ファンドアワードは、投資信託の販売会社が主催する初めてのファンドアワード。個人投資家の視点で優れたファンドを紹介することで、個人投資家の資産形成を支援することを目的としているという。

楽天証券が取り扱う投資信託は、現在2,100本(ちなみに日本全体では約5,000本)。アワードでは、楽天証券「ファンドスコア」を用いた完全定量評価による選出方法に基づき、計24ファンド(8カテゴリーの評価部門から各3ファンド)を優秀ファンドとして選出。楽天証券の利用者、ファイナンシャルプランナー(楽天証券の金融紹介仲介業者所属)、楽天証券投信評価諮問委員の投票を経て、1評価部門に1ファンドずつ、合計8ファンドの最優秀ファンドが決定された。評価対象期間は3年。

表彰された最優秀ファンドは、国内株式部門「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」(スパークス・アセット・マネジメント)、海外株式部門「SMT グローバル株式インデックス・オープン」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)、国際債券部門「DLIBJ公社債オープン(中期コース)」(DIAMアセットマネジメント)、海外債券部門「三井住友・DC外国債券インデックスファンド」(三井住友アセットマネジメント)、国内不動産(リート)部門「フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド」(フィデリティ投信)、海外不動産(リート)部門「SMTグローバルREITインデックス・オープン」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)、バランス(可変配分)部門「DIAMパッシブ資産分散ファンド」(DIAMアセットマネジメント)、バランス(固定配分)部門「三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)」(三井住友アセットマネジメント)。

そのほか優秀ファンドについても楽天証券サイト内で確認できる。

選ばれたファンドの傾向は?

今回の結果について、楽天証券経済研究所ファンドアナリストの吉井崇裕氏と篠田尚子氏が総評を行った。

「国内株式部門と国内不動産(リート)部門に関しては、すべてアクティブファンドが上位にくる傾向がありました。一方で海外株式部門や海外債券部門は、インデックスファンドが目立っています」(篠田氏)

「アクティブファンドかインデックスファンドかというのはよくある議論なんですが、たとえば海外株式部門や海外債券部門は、地域が広くなったり、業種が分散されたり、銘柄が多くなったりするためコストの関係でインデックスが強い傾向にある。日本株など単一の国で狭いマーケットの中でやる運用は、アクティブファンドが運用力を出せるという傾向にあります。今回のアワードもそういう傾向がはっきり出たのかなと思います」(吉井氏)

「バランス型の可変配分、固定配分の上位にそれぞれ比較的共通しているのは、相対的に株式の組み入れ比率が低いファンド。安定運用を方針として掲げたようなファンドが上位にきたという傾向がありました」(篠田氏)

「この3年のマーケット環境のずっと金利が下がってきた中で、比較的債券のファンドの組み入れの高いファンドが効率がよかった傾向がありますね」(吉井氏)

「株式の組み入れ比率が高いファンドというのは突出して株が上がる局面でパフォーマンスを上げやすいので、どうしてもバランス型でもそういうファンドは目立ちやすいんですが、やはり3年という中長期で見てみますと最終的には株の組み入れ比率をある程度抑えたファンドのほうが上位にくるということですね」(篠田氏)

アワードの活用法は?

「優秀ファンド24本と特別賞3ファンド、合計27本の中から組み合わせていただくだけでもきちんとポートフォリオができますよね」(篠田氏)

「そうですね。今回の8部門は分散投資をする中でコアになり得るので、これらを組み合わせるのがいいのかなと」(吉井氏)

「インデックスもアクティブもいろんなファンドがあると思います。ただやはり共通しているのはどのファンドも中長期にわたって安定したリターンを着実に積み重ねてきたというものなんですね。ですからどこが上がるかどうかというのではなくて、ファンドそのものがとても優秀な成績を収めているということと、運用方針に基づいた運用をしているということですね」(篠田氏)

「優秀ファンドは同じ分類の中でコンスタントに平均を上回るような成績を残してきたというファンドになります。長く投資を続けていく中でタイミングを選ばないような、より安定的に上回れるような商品が選ばれていますので。あくまでも3年間の結果ですけど、ある程度参考にしていただければなと思います」(吉井氏)