「IoT(Internet of Things)」というキーワードは、産業用途向けとして使われていたM2Mの時代から、より広義なものへと変質しつつある。

ありとあらゆるモノがネットに接続する時代と言われている中で、各通信キャリアもIoTの正体を見極めるのに難儀しているように見える。広義すぎるが故に「IoT」がバズワード化してしまい、それぞれの製品のマーケティング用語として使われているため、実態が見えにくいのが実情だろう。

それを逆手に取ろうとしているのがソフトバンクの新たな取り組み「+Style(プラススタイル)」だ。これはIoTに関連した新製品開発を支援するプラットフォームで、「プランニング」「クラウドファンディング」「ショッピング」という3つの機能を兼ね備える。つまり、企画立案と、それに伴う出資の仕組み、購入までという上流~下流までを1つのプラットフォームで実現できるという試みだ。

+Style

ソフトバンクはここのところ、実店舗におけるIoT製品の実験場となるテックカフェや、新規事業のコラボレーションを目指す「SoftBank Innovation Program」など、スマートフォン以外の新規領域への積極的な関与を進めている。

スマートフォン時代への変遷期が過ぎ、次のマネタイズへと各社が舵を切る中で、ソフトバンクとして「自社の強みが何か」という評価軸で、見出した戦略がこれらの新規事業なのだろう。孫正義氏が「第2のソフトバンク」と語ったように、ネット系企業への出資などを諸外国で展開するのと同時に、今回のプラススタイルも含め、いずれも新たな価値を生み出す「生きのいい案件の掘り起こし」の足がかりを見出しているように見える。

テックカフェは消費者体験の場での需要掘り起こし、SoftBank Innovation Programでは自社の主幹事業との相乗効果を念頭に置いたコラボレーションを進めようとしているが、プラススタイルではどのようなプラットフォーム戦略を考えているのか。ソフトバンク サービスプラットフォーム戦略・開発本部 担当部長の近藤 正充氏に話を伺った。