高級路線とは異なる客層を狙うマクドナルド

ニューヨーク発のバーガーショップである、シェイクシャックとベアバーガー。両社とも2016年に入って日本2号店を開業した人気店だが、ものによっては1,000円を超えるハンバーガーを取り扱っている。アルコールも提供するなど、いかにも大人に受けそうな印象の両社だが、このような業態のバーガーショップが勢力を拡大しているとすれば、マクドナルドにも「大人向け」を前面に打ち出すというような選択肢があったはずだ。

「高級路線のハンバーガーチェーンとは客層が違う」。前出の藤本部長は、マクドナルドの方向性に関する質問にこう答えた。家族連れやサラリーマンなど、幅広い客層が利用するマクドナルドは、あくまで全方位型の姿勢を堅持する方針のようだ。バーガーラブのコンセプトが示すとおり、マクドナルドがターゲットとするのは「すべてのハンバーガー好き」ということなのだろう。

バーガーラブ路線の真価が問われる

業績が低迷するマクドナルドだが、ここへきて明るい話題も出始めている。バーガーラブのコンセプトで発表した最初の商品「グランドビッグマック」が、「一時期は販売に規制がかかったほど」(藤本部長)の好評を博したというのだ。

新商品発表会にはドナルドも登場。若菜上席部長(右から二人目)は新商品の味に並々ならぬ自信を示した

バーガーラブ路線の商品展開は続くが、次回以降の商品については「楽しみにしてください」(若菜上席部長)と多くを語らないマクドナルド。バーガーラブ路線が功を奏し、離れた顧客を呼び戻すことができるか。まずはクラブハウスバーガーの売れ行きが、マクドナルドの先行きを占ううえで重要な指標となりそうだ。

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