シャープは4月21日、都内で発表会を開催。液晶テレビ「AQUOS」3シリーズ7機種、ブルーレイディスクレコーダー「AQUOSブルーレイ」3シリーズ8機種、人工知能を搭載した「AQUOSココロビジョンプレーヤー」、独自のVODサービス「COCORO VIDEO」と、新しい製品やサービスを一挙に紹介した。

内容てんこ盛りのシャープAQUOS発表会

AQUOSココロビジョンプレーヤーは、ロボット型電話「RoBoHoN」(ロボホン)に続く、ココロプロジェクト第2弾となる製品だ。AQUOSファミリンク対応のテレビにHDMI経由で接続して使うユニットで、Wi-Fiもしくは有線LANでクラウドと通信しながら、ユーザーの視聴傾向を学習する。そして学習した視聴傾向に基づき、放送中もしくはこれから放送する番組からユーザーの好みに合うものをピックアップして、画面表示と音声でおすすめする。

AQUOSココロビジョンプレーヤーは、人がテレビに近づくと赤外線で感知してテレビを起動し、ユーザーに声を掛けて現在放映中の番組からオススメをピックアップ表示する

AQUOSココロビジョンプレーヤーの発売と同時に、シャープ独自のAI連携・動画配信サービス「COCORO VIDEO」も開始。コンテンツはビデオマーケットから提供を受けており、最新の映画やアニメ、ドラマなど13万本を超える作品を視聴できる(月額料金制)。COCORO VIDEOに加入すると、AQUOSココロビジョンプレーヤーのリコメンドに、COCORO VIDEOのコンテンツも追加される。

COCORO VIDEOの表示画面

シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニーの長谷川社長は「新しいビジョンとして、身の回りの家電を人工知能化する『ココロプロジェクト』を掲げており、今後はIoTから一歩進んだAIoT(モノの人工知能化、AI×IoT)を広めていく」と語る。その目指すところは、学習機能により製品が「わが家流に成長」し、感情豊かな音声対話で「愛着を感じる」存在になっていくことだ。

シャープ 代表取締役 兼 専務執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー社長の長谷川祥典氏

ココロプロジェクトのコンセプトロゴマーク

AQUOSココロビジョンプレーヤーには、人が近づいたことを感知するセンシング技術、ユーザーの好みを学習するクラウド上の人工知能(AI)、ビデオオンデマンドサービスとの連携など、RoBoHoNと共通の技術やノウハウが詰め込まれており、これまでの家電では実現できなかった新しい機能を提供するという。シャープでは、2016年度中に5つのココロプロジェクト製品をリリースする予定だと述べた。

「ココロプロジェクトにより、家電は人の生活をより豊かにする存在へと変わっていく」と長谷川社長

AQUOSココロビジョンプレーヤーはセンシング機能や人工知能を備えている。クラウド上の「COCORO VIDEO」と連携することで、現在放映中の番組だけでなく、VODからもおすすめコンテンツを呼び出す

続いて登壇したデジタル情報家電事業本部 国内事業部の宗俊事業部長は、テレビを取り巻く市場動向を説明。若者だけでなく、今後は消費の中心である団塊ジュニア層にもテレビ離れが波及していくとし、従来とは違った観点での取り組みが必要との考えを示した。

たとえば、テレビユーザーの多くは、リアルタイムではなく、録画などで時間をずらして番組を見ている。スマートフォンやタブレットに入れて好きな場所、好きなタイミングで見る人もいる。シャープはこうした視聴環境の変化に合わせ、プレイヤー、最新の4K動画、Androidテレビアプリなどを提供していくという。

シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー デジタル情報家電事業本部 国内事業部 事業部長の宗俊昭広氏

宗俊氏は、毎日接触するメディアとして、テレビとインターネットの割合を年齢別に集計。デジタル世代のテレビ離れが注目されているが、デジタル化を実体験した団塊ジュニア世代にもその傾向が波及していくだろうと語る

発表会では、AQUOSココロビジョンプレーヤーのデモも行われた。同製品は、テレビの前に人が通ると、テレビにつながったAQUOSココロビジョンプレイヤーが人を感知し、声をかけてくる。さらに、テレビの電源を自動で入れ、オススメ番組を表示する。センシングには赤外線を利用。人を見分けることはできないが、ユーザーが複数いるとその人ごとに視聴時間帯が異なることに着目し、よく見られている番組の傾向を時間帯ごとに学習していく形を採用した。

COCORO VISIONの特長は、ユーザーがテレビの前に来ると話しかけ、好みの番組を見つけてくること

実際のデモの風景。COCORO VISIONの前に来ると即座に反応して、テレビの電源が入り、リコメンドが4択で表示される

リコメンドの中に特に見たい番組がない場合は、「先週のサッカーの試合は?」などとリモコンに話しかけることで音声検索できる

ビデオオンデマンドのコンテンツが見たいときは、リモコン下部の専用ボタンをタッチ。COCORO VIDEOやNETFLIX、YouTubeが簡単に呼び出せる

液晶テレビ「AQUOS」とBDレコーダー「AQUOS ブルーレイ」の新モデルも紹介した。液晶テレビの新製品はすべて4K HDRに対応し、3シリーズをラインナップ。画面のエリア毎にLEDバックライトの輝度制御を行う「メガコントラスト」を採用した「XD45シリーズ」、消費電力を抑えつつ画面輝度を向上させる「リッチブライトネス」技術を採り入れた「US40シリーズ」、省エネ性能に優れる「U40シリーズ」を投入する。

AQUOS 4Kの新製品は、3シリーズ7機種

XD45とUS40には艶やかな黒を表現できる低反射パネル「N-Black」を搭載し、明るい部屋で視聴したときの画面への映り込みを低減する。このほか、US40とU40にはスイーベルスタンドを採用。テレビの画面の向きを視聴位置に合わせて簡単に調整できる。

新開発の高効率・高輝度技術「リッチブライトネス」は、搭載しない前モデルと比較して明るさを15%以上アップしている

4K HDR映像の比較展示。リッチブライトネスが効いていて、ぱっと見て画面が明るくなっているのが分かる。木の葉と幹の明暗や岩の影など、細部のコントラストや階調表現が美しく再現されている

AQUOSブルーレイは、「BD-NTシリーズ」「BD-NWシリーズ」「BD-NS500」を投入。新モデルには、放送中の番組を最大90分さかのぼって視聴できる新機能「AQUOSタイムシフト」、地上デジタルおよびBSデジタルの新作連続ドラマを4週間分自動録画する「ドラ丸」、静止画と字幕データで観たいシーンを簡単に探せる「セリフ付き見どころポップアップ」などの機能を搭載している。

AQUOSブルーレイには視聴中の番組を最大90分さかのぼって鑑賞できる「AQUOSタイムシフト」機能が搭載された

AQUOSブルーレイは8機種を同時発売。最上位の「BD-NT3000」は容量3TB。地上/BS/110度CSデジタルチューナーを3基搭載する。ミドルクラスにはホワイトモデル「BD-WW1000」も用意

AQUOSブルーレイに搭載の「セリフ付き見どころポップアップ」。字幕データのある番組で静止画を選ぶと、そのシーンの字幕データがポップアップする。たとえば、スポーツ番組でゴールシーンを探すときに役立つ