スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「00000JAPAN」についてです。

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2014年5月、国内通信事業者を中心に構成される無線LANビジネス推進連絡会が「大規模災害発生時における公衆無線LANの無料開放に関するガイドライン」を策定し、公衆無線LANの事業者が緊急事態のとき取るべき措置を事前に取りまとめました。その成果が、「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」という災害用統一SSIDです。

無線LANのアクセスポイントが一覧されるとき、数字とアルファベットの順にSSIDを並べますが、先頭により小さい数字のあるほうが並び順の上位となります。ここに着目し、緊急時に誰でも急いで選択できるよう最上位に表示されるべく、先頭に「0」を5つ並べたものを災害用統一SSIDとして制定したというわけです。

公衆無線LANの無料開放を開始するタイミングは、サービスを提供する企業の判断に委ねられていますが、4月14日夜に発生した熊本県の大地震では、ドコモ(docomo Wi-Fi)とau(au Wi-Fi SPOT)、ソフトバンク(ソフトバンクWi-Fiスポット)という大手キャリアの公衆無線LANが熊本県内の一部/全域で無料開放されています(4月15日午前8時現在)。

上記3社の公衆無線LANアクセスポイントは、飲食店や駅、ホテルなど多くの場所で利用できます。サービスの契約は必要なく、無線LANの設定画面で「00000JAPAN」を選択するだけで準備は完了です。パスワードの入力は必要ありません。

ところで、ガイドラインでは無料開放を開始するタイミングを災害発生から72時間以内としていましたが、2016年4月14日に発生した熊本地震では発生から間もなく無料開放がアナウンスされました。地域によっては送電システムの故障や断線もありうるため、必ずしも利用できるわけではありませんが、通信手段が限られる状況下ではありがたいサービスといえそうです。

KDDI広報部の公式Twitterアカウントも「00000JAPAN」の利用についてアナウンスしています

※本稿のタイトル「いまさら聞けないスマートフォン用語」は連載記事としての名称であり、他意はございません。