携帯電話料金のいわゆる“2年縛り”問題に関して、NTTドコモは4月14日、これを緩和するための新たな施策を発表した。2年契約後に従来と同じ「ずっとドコモ割コース」と、解除料がかからない「フリーコース」が選べる仕組みだが、その内容からはNTTドコモのしたたかな戦略も見えてくる。

2年縛りの問題にドコモが出した答えとは

端末の“実質0円”販売の是非や、ライトユーザー向けの料金プランなど、総務省からの要請に対するキャリアの動きが慌ただしい昨今。最近ではそれらに加え、これまで総務省で議論がなされてきた“2年縛り”に関しても、キャリア側が何らかの対応を迫られるようになってきている。

改めて2年縛りについて確認すると、これは2年間の契約を前提として、携帯電話の料金を毎月大幅に割り引くという仕組みである。2年縛りは割引という大きなメリットが受けられるが、一方で2年間の契約期間中に解約すると高額な違約金がかかるうえ、2年経過後に無料で解除できる期間が1カ月と短く、解約しづらいことから、結果的にユーザーの契約を長期的に縛ってしまうことなどが問題視されており、総務省の「ICTサービス安心・安全研究会」によってその改善の方向性が議論されてきた。

そうした議論の結果を受けてか、今年に入ってキャリア側が、2年縛りに関する制約を緩める動きを見せている。NTTドコモが1月の決算発表で、無料で解除できる期間を2カ月に伸ばすことを公表。これに他社が追随する形で、解除期間の延長が進められていった。

さらに3月にはソフトバンクが「2年契約プラン」、auが「新2年契約」と、毎月の基本料に加えて月額300円を追加で支払う代わりに、2年経過後の縛りがない料金プランを相次いで発表した。これらのプランは、よく見るとユーザーメリットがほとんどなく、実効性に疑問の声が上げられているが、2年経過後に縛りがない料金プランの選択肢をキャリアが提供してきたこと自体、大きな変化であることは確かだ。

そして去る4月14日、残るNTTドコモも、契約から2年経過後の“縛り”を選べる仕組みを提供すると発表した。それが「フリーコース」と「ずっとドコモ割コース」の2つである。

NTTドコモは2年縛りの問題に関して、「フリーコース」と「ずっとドコモ割コース」という2つの選択肢を用意した