ロボホンは「AIoT」の第1弾

「IoT(モノのインターネット)」と「人工知能(AI)」を組み合わせた「AIoT(モノの人工知能化)」を提唱するシャープは、ロボホンをその第1弾として位置づける。鍵となるのは「知性」と「愛着」で、クラウドも活用した人工知能によって家電製品をユーザーを理解し、ユーザーが愛着を持って接してもらえる製品を目指す。

IoTとAIを組み合わせたAIoTによるココロプロジェクトで、家電と人の新たな関係を構築するのが目標

ココロプロジェクトでは、クラウドを活用して「成長」して「愛着を感じる」家電を目指す

そのインタフェースとなるロボホンは、人型ロボットのため人が話しかけやすく、対話によって愛着がわきやすくなることを目指しており、今後、例えばロボホンに話しかけて家電製品を操作するといった世界を想定する。

シャープと共同でロボホンを開発した、ロボットクリエイターで東京大学先端科学技術研究センター特任准教授、ロボ・ガレージ代表取締役の高橋智隆氏は、「今までのロボットに足りなかったのは十分な性能。スマートフォンに足りなかったのは、すでに完成されていることによる将来性のなさ」と指摘し、ロボホンはその足りなかったものを補完しあったものだと話す。「コンセプトとしてはロボットの究極形ではないか」と高橋氏はアピールする。

ロボホンで電話を受ける高橋智隆氏

目指すのは「ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじ、魔女の宅急便の(黒猫の)ジジのように、小さな物知りが主人公を助けてくれる、そんな相棒のような存在」と高橋氏。フィーチャーフォンとスマートフォンの2台持ちからスマートフォンだけを持つようになった昨今、今後はスマートフォンとロボホンの2台持ちになり、ゆくゆくはロボホンの1台持ちという時代にしたい、と意気込む。

シャープは、CEATEC 2015での発表以降、海外でもCES 2016やMWC 2016でも出展を行っており、注目を集めている。代表取締役兼専務執行役員でコンシューマーエレクトロニクスカンパニー社長の長谷川祥典氏は、今後海外展開も視野に入れており、当初はアジア圏を想定し、年内にも何らかの展開を図りたいとしている。

シャープの長谷川祥典氏

フォトセッションの様子