NTTドコモは14日、スマートフォンなどの利用料金について、新たな料金プランを発表した。総務省から改善指示が行われている、定期契約の解約金が不要になるコースの新設や、長期契約者への割引、定期契約の更新促進などが主眼となる。いずれも6月1日から開始する。

NTTドコモは14日、都内で急遽記者説明会を開催し、新たな料金プランについて発表した

解約金が不要なフリーコースを新設

発表会には、ドコモの阿佐美弘恭 取締役常務執行役員と、田畑智也 経営企画部・料金制度室長が出席した。冒頭、ドコモはより低コストな料金プランへの要望に応える形でシェアプラン5やカケホーダイライトといったプランを提供していることを紹介。これらに加え、解約金不要なプランや長期契約者へのさらなる還元といった要望に対応するため、新料金プランの提供を発表した。

現在、2年の定期契約コース(カケホーダイ等)を利用している場合、無料更新月となる25カ月目、26カ月目以外では9,500円の解約金がかかるが、新設される「フリーコース」では、いつ解約してもこの解約金が不要になる(既存の長期利用契約は「ずっとドコモ割コース」と呼称する)。適用されるのはカケホーダイのほか、カケホーダイ(ケータイ)、カケホーダイライト、データプラン(スマホ、タブレット、ルーター)の各コースで、基本料金は変わらない。フリーコースを選択した場合、長期利用割引である「ずっとドコモ割」や、後述する「更新ありがとうポイント」は適用されない。

2年の定期契約コースとして2つの新プランを発表

新規契約(MNP含む)および、4月・5月に契約満了するユーザーについては、6月1日からフリーコースを選択できる。それ以外の既存ユーザーは更新月に改めて選択することになる。既存のユーザーは更新時にフリーコースとずっとドコモ割コースの選択が可能になるが、特にコース変更を行わなかった場合、自動的にずっとドコモ割コースが適用される。

フリーコースを選択したユーザーが途中でずっとドコモ割コースに変更することも可能だが、その場合はもともとのフリーコースの開始月を基準として更新することになるため、例えば1年11カ月目にずっとドコモ割コースに変更した場合、翌月にもう一度更新月が訪れる(ただし、ここでは更新ありがとうポイントは付かない)。

長期利用割引の「ずっとドコモ割」については、これまで5年/10年/15年以上の利用者に対して定期契約コースの料金割引が適用されていたが、これを4年以上に改定することで、より多くのユーザーが恩恵を受けられるようになった(データSパックを除く)。また、一部のプランではこれまで10年以上の利用が前提だったものを4年以上で適用されるよう範囲を拡大したり、割引額の範囲拡大が行われている。

「ずっとドコモ割」を拡充

現行と変更後の比較表

長期利用契約の促進策も用意。ずっとドコモ割コースを更新したユーザーについては、「更新ありがとうポイント」としてdポイントが3,000ポイントプレゼントされる。このポイントは6カ月で無効になる、期間限定ポイントとなる。dポイントは通信料金の支払いには利用できないが、端末の購入時に充当できるほか、dミュージック、dTVなどのドコモのサービスやメルカリ、らでぃっしゅぼーや等でのネットショッピング、アクセサリー購入、ローソンやマクドナルド、高島屋等のdポイント加盟店での買い物に利用できる。

「更新ありがとうポイント」

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なお、今回は料金プランに関する発表で、先日総務省から文書による要請があった端末の「実質0円」販売については、現在社内で対応を検討中ということで、特に発表は行われなかった。

フリーコースの新設は、お試し的に短期の利用を考えていたり、積極的にMNPを利用したいユーザーにとってはメリットがあるが、ある程度腰を据えて利用したいユーザーは従来通り「ずっとドコモ割コース」を選択したほうが、更新時のdポイントプレゼントや割引等によりお得になる。この辺りは自分の利用スタイルもよく考えて選択したい。

長期利用者への優遇措置は総務省タスクフォースの提言にもある改善ポイントの一つだが、今の所ドコモが他社に対して数歩先んじている。今後はiPhoneの販売開始から9年目になり、相応の長期利用者を抱え始めているソフトバンクや、ドコモに次いで長期利用者を抱えるauの対抗策についても注目したい。

これらの新施策はいずれも6月1日より開始