アップデートタイミングを指定可能に

UXの整理は<更新とセキュリティ/Windows Update>にも行われた。これまでのオプションに加えて、新たに<Change active hours>を追加している。これはデバイスの使用時間を指定し、その時間帯は自動再起動などを抑止するというものだ。Windows Insider Program参加者の場合、外出先で新ビルドのインストールが始まった経験をお持ちの方も少なくないだろう。本設定により、最悪の事態は避けられる。

<Windows Update>には、2つの項目が新たに加わった

こちらは<Change active hours>を押した状態。自動再起動を抑止する時間帯を設定できる

新項目となる<再起動のオプション>は、更新プログラムのインストールタイミングを調整するというもの。筆者が確認した時点では、スイッチをオンに切り替えられず、具体的な動作は検証できなかったが、以前から更新プログラムのインストールタイミングは不評だっただけに、好ましい改善だ。

こちらは<再起動のオプション>を押した状態。再起動のタイミングをいつでも指定できる

以前のように自動再起動は予告時間を示すメッセージにアイコンが加わった

その他の変更点

Feedback Hubには、Build 2016でアナウンスしていた「stickyコメント」による開発者や他の参加者とのディスカッションが加わった。さらにAul氏は、Windows 10からスマートフォンのSMS送受信を可能にするアプリケーションの公開を予定していることを明らかにした。

フィードバックに対してレスポンスが可能になった「Feedback Hub」(公式ブログより抜粋)

また筆者が確認したところ<更新とセキュリティ/開発者向け>に「フォルダーオプション」ダイアログなどで設定していた項目が、いくつか散見された。カテゴリーと内容は一致しないものの、今後もコントロールパネルから設定項目の移行を推し進めるようだ。

なぜか<開発者向け>にエクスプローラーやリモートデスクトップの設定項目が集められていた。今後のビルドで適切なカテゴリーを設けて移動させるのだろう

既知の問題を紹介する前に、筆者が体験したトラブルについて少々述べたい。従来のWindows 10 Insider PreviewアップデートはデスクトップPCで1時間もかからなかったが、本ビルドではサインイン後のユーザーデータ再構築だけで1時間弱を要し、「まもなく完了します」の文字が延々とディスプレイに映し出されていた。

だが、筆者の環境ではさらに不安定な状態が散見された。サインイン後にストレージへのアクセスが落ち着いたタイミングでスタートメニューを開こうと[Win]キーを押しても無反応。どうやらExplorer.exeが動作しないようである。他のPCからpingを打つと応答があり、別PCのビルド14316は問題なく動作していることを踏まえると、何らかの設定もしくはプログラムが衝突しているか、ユーザープロファイルの構成に問題があるのだろう。サインイン直後から操作不可能になるため、以前のビルドに戻すことも不可能だ。

本連載で使用しているPCは、Windows 10 ビルド10240(Threshold 1)からNovember Update(Threshold 2)にアップデートし、本日まで使い続けてきた。日常的な原稿執筆やフォトレタッチ、Visual Studio Communityなどの開発環境もインストールしているため、ユーザープロファイルはかなり肥大化している。結果的には、ビルド10295のインストーラーで新規インストールし、他のPCで検証しながら本稿を執筆しているが、読者が不安定な雰囲気を醸し出しているPCをお使いの場合は十分注意してほしい。