仏像と言えば寺社仏閣に祀られていて、お参りした時に拝むもの……。そんな仏像をもっとカジュアルなアート感覚で楽しめるカフェが大阪のビジネス街・本町にある。

仏像がいるジャジーな空間へようこそ

JAZZの調べを聴きながら

大阪市営地下鉄御堂筋線「本町駅」から徒歩約3分。仏像カフェ「SEMBA 223(ぶつぞう) CAFE in STORE」(大阪市中央区)は、ごく普通のオフィスビルの地下1階にあり、JAZZが流れる店内には約30席が用意されている。スポットライトが当たって浮かび上がった高さ約30cmほどの仏像は、さながらアート作品のよう。

ビジネス街・本町でひっそりと癒やされるのにぴったりな場所

店主の高橋健三氏は、寺社仏閣を巡って仏像を見るのが趣味のひとつ。「仏像に造形としての魅力を感じていて好きなのですが、寺や神社は照明が暗くて立ったまま長時間見るのは大変なんです。でも、もっとじっくり仏像を眺めたい、そうと思っていた時にポリストーン製の仏像と出会い、カフェを作ろうと考えました」と話す。

店内に飾られた仏像は購入もできる

仏像は15~50cm程度まで3種類のサイズがあり、価格は税別2万3,000円~30万円程度。本物の仏像を作る製作会社が原型を作り、ポリストーンと呼ばれる石粉と樹脂を混ぜたものをシリコン型に流し込んで製作するため、ずっしりと重量感を感じる。「本物では普段見られない背中部分や細部まで作り込まれていて非常にリアルですよ」と高橋氏。

照明に照らされた仏像は、見る角度によっても味わいが変わってくる

仏像時間は「阿修羅セット」とともに

"会いにいける仏像、連れて帰れる仏像"をコンセプトに、仏像とじっくり向き合えるカウンター席で撮影したり、手に持ったりしてじっくり細部まで観察できる。気に入れば購入も可能で、人気の弥勒菩薩像などが毎月1~2体売れるという。

「仏像ってフォトジェニックなんですよ。私自身スーパーカー世代で、仏像とスーパーカーには同じようなカッコ良さがある。宗教とは関係なく、純粋にデザインや造形としてのカッコ良さを楽しんでほしいですね。まずは気に入った仏像を好きな角度で撮影してSNSにアップしてもらえれば」(高橋氏)。

回転焼きだから阿修羅!? ネーミングの理由が気になる「阿修羅セット」は税込700円

くつろぎながら仏像を眺める際は、回転焼きと飲み物がセットになった「阿修羅セット」(税込700円)がオススメ。「商人の街・船場で、コーヒー片手に仏像を眺めながら、ほっこりしたひとときを過ごしてもらえたら」という高橋氏の想いを感じるべく、ぜひ一度足を運んで仏像が持つ癒やしの力を実感してほしい。

仕事のちょっとしたスキマ時間でも、十分癒やされそうだ

●information
SEMBA 223(ぶつぞう) CAFE in STORE
大阪府大阪市中央区南本町2-5-9ユーマンビルB1F
営業時間: 14~19時(土曜日~17時)
定休日: 日曜日・祝日

※記事中の情報は2016年3月取材時のもの

筆者プロフィール: 中 直照(なか なおてる)

大阪出身のコピーライター。出版社や中堅ゼネコンなどを経てフリーライターとして独立。その後、2011年にショートカプチーノ設立。コピーライターとして経営者インタビューや企業広報誌、店舗取材など、幅広く執筆。ほかにもホームページ用コンテンツの企画や制作などにも携わっている。