プロセッサーは、昨年9月発表された12.9インチiPad Proと同じく、64bitアーキテクチャチップの第3世代となるA9Xを採用し、モーションコプロセッサもM9を搭載。CPUおよびグラフィックスの性能は、iPad Air 2に比べて1.7倍となっている。12.9インチのiPad Proのプレゼンテーションでも使われていた人体のパーツや詳細をイメージで見ることのできる「Complete Anatomy」のように、非常に緻密な3Dデータを利用しているアプリでも、サッと描画してくれるパワーを備えている。

Complete Anatomydで利用されている複雑な3Dデータも瞬時に描画

このパワフルなプロセッサを活かして、iPad ProでiOS 9から採用された、Slide Over、Split View、Picture in Pictureというマルチタスク機能を利用するのをおススメしたい。

Slide Overは、現在使用しているアプリの上に2つめのアプリがスライドして現れるというもので、異なるアプリを切り替えて利用できる。Picture in Pictureは、Safariなどで見ている動画を小さくして画面の隅で再生しながら表示できるというものだ。動画再生しながらアプリの起動も可能で、表示させている映像は四隅の任意の位置に移動できる。Split ViewはSlide Overさせたアプリとメインで使っているアプリを行ったり来たりできるというものだ。

Split Viewを利用して、SafariからPagesへテキストをコピペ

Split Viewでは表示させた片方のアプリしか機能しないのに対し、Split Viewでは2つのアプリを使える。この利便性は高く、ホームへ戻って別のアプリを起動して、といった作業をしなくても直接テキストなどコピペすることが可能だ。生産性を高めてくれそうな機能だが、少し前の世代のiPadでは利用できない。この辺もA9X搭載ならではだ。

サウンド面も強化されている。12.9インチiPad Pro同様、4つのスピーカーを装備した。本体の四隅に配置されたスピーカーは、どれからもローが出ているが、iPad Proを設置した際、上方となる左右はミッドからハイのスピーカーとなって、高い周波数帯が出力されるという特徴的な機構を備えている。iPadの設置方向が縦横どちらでもこの機能は作用し、天地方向をひっくり返しても同様に機能する。さらに、音量もiPad Air 2と比較して倍の出力が可能になっており、iTunes StoreやApple Musicで提供されている映像コンテンツはもちろん、ゲームでも外部スピーカーなしで迫力のサウンドが楽しめる。

特にゲームはパワーアップしたグラフィックスとスピーカーで、これまでのタブレットでは想像できなかった体験が得られることだろう。