iPhone SEを概観してきたがいかがだっただろう。スペシャルイベントでの第一印象は「スペック的にはハイエンドモデル」であったが、実機を手にしてみても、その印象は変わらなかった。これはセカンドラインではなく、立派なファーストラインである。

が、ファーストラインにも関わらず、プライスはお求め安くと、なっているところがポイントだろう。繰り返しになるが、最初のiPhoneとしてはピッタリな一台だ。

ガラケーから乗り換えるなら、各キャリアから優遇プランが提供されることも再度指摘しておこう。結果として、昨年からの総務省の邪魔立てありがとうな展開になっている。

SIMフリー版を購入してMVNOを選択するのも良いと先述したが、新たに提供が始まった「下取りキャンペーン」を利用すれば、さらにお得に購入できる。iPhone SE発表時、アップルは古いPCやディスプレイ、iPod、スマートフォンを下取りに出したり、リサイクルできる「Apple Renewプログラム」を日本でスタートさせた。この「下取りキャンペーン」は、同プログラムの一環として、米Appleのトレード・イン・プログラムに相当するものとして提供される。下取り可能な製品は、iPhoneシリーズに加え、他社製スマートフォンも対象。おおよその下取り額は、iPhone 4/4sで最大3,500円、iPhone 5/5c/5sで最大14,600円となっているので、試しに査定してもらってみてはいかがだろうか。

iPhone SEはコンパクトなだけでなく、機能面でも価格面でも、とても魅力的だ。停滞気味といえるスマートフォン市場においてカンフル剤となる製品であると言えよう。奇を衒ったフォルムを纏ったり、鬼面人を嚇す機能を装備しなくとも、訴求力のある製品を生み出せるという好例であり、市場のニーズをしっかり把握することで需要を喚起する力を持ったデバイスを送り出せる余地はまだまだあるということを実証するプロダクトとなるはずだ。